子供の頃から草木が好きでした。寝る前にページを繰るのは小学館の植物図鑑。図鑑のあのページの右上あたりにあったかもと、絵図の植物のおかげで、初めての草木にも親しみをおぼえます。
定年で仕事を終える前年秋にひょんなことから一本の蓼タデ藍をいただきました。こぼれ種からちいさな芽が出ました。翌年の春にはしっかり蓼藍の姿に成長しました。
せっかくだから染めてみようと思いたち、独習で着物の裏地を染めてみました。古い絹の味わいと、藍の縹ハナダ色が、本当に美しい。
その後、染めた布をかがってスカーフにしたり、裂き織りにしてショールを織ったり。
ニュアンスのことなる青色の裂き織り糸を織り込むうちに、海を織る、という言葉が浮かんできました。
ふと思い立ち鎌倉への小旅行。そこで古い山裾の家を見つけ、さらに優しい珈琲とカレーを供してくださるちいさなカフェに出会いました。迷うことなくここでものを作ろうときめました。
ショップの紹介が自分語りになってしまいましたが、ショップ「海を織る」の成り立ちです。流れ着いた、という感じ。海を織る、を弁理士さんを訪ねて商標登録しました。新しいことを経験するたびにドキドキしています。
自分で育てた藍で染めた薄い水色の絹や木綿。西洋茜で染めた茜色の絹。玉ねぎの皮や栗の渋皮で染めた絹。そんなものをスカーフや裂き織りにしています。
もう一つこだわっているのは、日本酒の酒袋の木綿生地。使わなくなった酒袋を仕入れ、酒袋用の帆布を集めて、藍で染めてかばんを作ります。この木綿が好きなんです。
そんなものをお届けしたいと思い、お店、海を織る、を開きました。どうぞ楽しんで見ていってください。
®️海を織る、名義で染色や織物、縫い物などしています。
勤め人を定年退職する前年の秋、そろそろ命を終える蓼藍一株いただき、こぼれ種からの苗を増やして、1人で藍染を始めました。
古い着物を解いた胴裏を素材に、生の藍の葉をすりつぶした染液で染める薄い青。15分経つともう最初の青には染められない、そのスピード感と発色の美しさ。その年に100回は染めたでしょうか。
そして染料となる草木を栽培できる場所をさがして鎌倉に居を定めました。買い物が不便な場所なので果物の砂糖漬けや果実酒、味噌などを仕込んでいます。
[全 48作品]
[全 1件]
藍染手拭いスカーフ 竹の秋
想像以上にステキな作品で、しばしうっとり眺めてしまいました! 使うのがもったいないくらいです。 酒袋バッグは、内側にポケットがついており、お心遣いが嬉しかったです。 これからも作品を楽しみにしております。 ありがとうございました。