【竹尾連載】紙のはなし第11回:涼しげで美しい「透ける紙」

300銘柄9,000種類もの紙を扱う、紙の専門商社・株式会社竹尾さんに、毎月素敵な紙をご紹介いただく連載。第11回目は、色紙を重ねてたのしみたい「透け感のある紙」についてお話をうかがいました。

語り手は、株式会社竹尾・企画部の相田さんです。

ノートやコピー用紙など、身近にたくさんある白い紙。普段あまり意識しませんが、紙が透けずに白く見えるのは、パルプの繊維のすきまにある空気が、紙にあたった光を乱反射させているからです。
では、透け感のある紙はどうなっているのかというと、その繊維のすきまをいくつかの方法で埋めることで、反射を抑えてできています。

今回は、そんな透けるファインペーパーをいくつかご紹介します。


トレーシングペーパーの定番「クラシコトレーシング-FS」

原料の木材パルプをとても細かく擦りつぶし、解きほぐすことで、一般の紙よりも繊維のすきまを少なくしたのが「クラシコトレーシング-FS」です。
薄くて軽やかな55g/㎡から、カードとして使える195g/㎡のものまで、幅広い厚さのバリエーションがあります。

95g/㎡の厚さは、うす青や桃色などパステル調のカラーも7色そろえていますよ。

少しアクセントをつけたい方には、透け方の濃淡で柄をつけた印象的なものもおすすめ。「クラシコトレーシング-FS 風」は流れる風を、「クラシコトレーシング-FS 星くずし」は満天の星をイメージした個性的な柄になっています。

包み紙にぴったりな「ドリープシリーズ」

「ドリープシリーズ」は、また違ったつくり方をしたもの。パルプ繊維をゼラチン状にして(アミロイド化といいます)結合させることで、すきまを少なくしています。このような紙は、硫酸溶液で処理してアミロイド化させることから、硫酸紙と呼ばれます。
アミロイド化によって、一般の紙と比べて強度が増し、水や油に強くなります。軽くて強いため、包み紙や、箱の中紙にもぴったりです。

柄の入った「アートドリープ」は、書籍の遊び紙や扉、帯などに使われることも。
水や油だけでなく通気も防ぎ、香りを閉じ込めておくことができるので、チョコレートなどのお菓子の包み紙としても人気です。食品に直接触れる用途の場合は、シリーズのなかの「ドリープ・W」または「アートドリープ 薄口」(蛍光染料不使用)をご利用ください。

カラフルな透明感「NTパイル」

最後にご紹介する「NTパイル」は、木材パルプを使ったいわゆる“紙”ではありません。ポリエステルをベースにしている“合成紙”です。

紙のようにシート状になっていますが、温度や湿度変化による伸び縮みがありません。折り曲げたところが白くならずに色を保つのも特長です。合成紙ならではのぱりっとした質感と透け感をたのしむことができます。

さいごに

今回は、透けるファインペーパーについて、その製法や素材からお話しました。完全に透明であるのとはまた違った、“透ける”という質感の独特で繊細な美しさに、ぜひ紙であらためて触れてみていただければうれしいです。


それでは、次回もおたのしみに。

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編集 / 西巻香織 撮影 / 真田英幸