今日も夜の帳が下りる。
日中、平然と立つこの廃城は、夕暮れ過ぎると、重く頭上に圧し掛かる影となる。
比喩ではない。本当に形を変えて傾いて来るのだ。
朽ちた城は、まるで生き物の様に今も威厳を示し続ける。
『傾きが年々大きくなってんだや』と村人は語る。
村一番の長老は静かに語ってくれた。曾お爺さんの時代にお城の領主が忽然と行方を眩ました。城が傾き始めたのはそのすぐ後らしい。
固く閉ざされた城内からは、毎晩恐ろしい鳴き声がすると言う。
村の広場では夜中火を焚いているので、常に明るい。
城壁の一部が村へ届くまで、あと数年ほどだろうか。
村では移転するかしないかの会議が頻繁に行われている。
約10cmの作品
今日も夜の帳が下りる。
日中、平然と立つこの廃城は、夕暮れ過ぎると、重く頭上に圧し掛かる影となる。
比喩ではない。本当に形を変えて傾いて来るのだ。
朽ちた城は、まるで生き物の様に今も威厳を示し続ける。
『傾きが年々大きくなってんだや』と村人は語る。
村一番の長老は静かに語ってくれた。曾お爺さんの時代にお城の領主が忽然と行方を眩ました。城が傾き始めたのはそのすぐ後らしい。
固く閉ざされた城内からは、毎晩恐ろしい鳴き声がすると言う。
村の広場では夜中火を焚いているので、常に明るい。
城壁の一部が村へ届くまで、あと数年ほどだろうか。
村では移転するかしないかの会議が頻繁に行われている。
約10cmの作品