独占が奪うモノ-3

独占（ある市場を1社またはごく少数の企業が支配する状態）は、 社会に良い影響と悪い影響の両方をもたらします。 ただし、悪影響の方が大きいと考えられます。 ■ 独占が社会にもたらす悪影響（国民にとって） 1. 価格が上がりやすくなる（消費者が損をする） 競争相手がいなければ、企業は自由に価格を設定できる。 結果として、消費者は「高い値段でも買うしかない」 状態に追い込まれます。 2. 質の低下・イノベーション停滞 競争が無いと、企業は改善や新技術への投資を怠りやすくなる。 例：アップデート速度が落ち製品の品質向上が止まる 「努力しなくてもお客は離れないから」という構造です。 3. 企業の政治的影響力が強くなる 市場支配力を持つ企業は、法律や規制の緩和の働きかけ など、政治や制度に強い影響を及ぼすことがありる。 これは国民の利益が後回しになるリスクになる。 4. 新規参入が難しくなる 既存の巨大企業は、資本力や規模のメリットを使って、 新規参入者を排除しやすく、多様な企業が存在できない 社会の活力を低下させる。 5. 経済格差の拡大 独占企業に利益が集中しやすく、労働者への配分が少ない 社会における富の偏りが起きる、といった問題が起こります。 ■ 独占がもたらす良い影響（条件付き） 1. 大規模投資が可能 高い利益と安定した収入により、大規模な研究開発や 巨額の投資が可能になる。 例：電力会社・水道事業・鉄道など「公共事業」に近い） 2. 規模の経済によるコスト削減 生産量が増えるほどコストが下がる「規模の経済」が働く 産業では、1社がまとめて供給する方が効率的な場合もある。 （電力網、通信インフラなど） ーーー 愛の無い独占は社会を衰退させ 多くの幸せを奪います。 （歴史を見れば明らかです）