とてもレアな琺瑯引きのフェイスをもつ、
セイコー《ヴィーナス》。
1965年の作品です。
産業革命以前の時代、
懐中時計に多用された陶製文字盤。
その純白の美しいフェイスを、
骨董店や蚤の市などで見かけたご経験は、
きっとどなたもお持ちでしょう。
ホーロー文字盤はなぜ廃れてしまったのかーー。
理由は主に2つです。
まず、製造におそろしく手間がかかること。
そして、そのわりには強度に欠け、
ちょっとした衝撃で割れたりひびが入ったりと、
長持ちしないことが、ふたつ目の理由です。
そのかわり、美しい。
すべての欠点を凌駕してしまう優美さゆえに、
人びとは時おり思い出したように、ふたたび
陶製文字盤の時計を生み落としてしまいます。
ーーこの《ヴィーナス》のように。
セイコー往年のカタログを紐解くと、
ケース(ボディ)も文字盤(フェイス)も、
本品と瓜二つの《ファインセイコー》が
掲載されています。
しかしそのフェイスは陶製文字盤ではなく、
同じデザインをまとう金属製です。
おそらく本品は、
そのラグジュアリーバージョンとして、
セイコーが限定的に(あるいは実験的に)、
少量生産した品ではないかと思われます。
弊店はこれをマーケットで発見した当初、
フェイスのあまりの「美白」ぶりに、
リダンと呼ばれるお色直し(描きかえ)を
ほどこされた品ではないかと疑いました。
ところが、事実はまさかの琺瑯引き……。
フェイスを描きかえるのであれば、
わざわざ途方もない時間と労力を費やして、
ひたすら塗ったり焼いたりを繰りかえす
琺瑯引きに仕立てるはずがありません。
また、お色直しの手法は〝転写〟が基本。
当然《FineSeiko》の印字を
そのままトレースするはずで、
あえて《Venus》銘に上書きする理由が
見つかりません。
そんなわけで本品は、
どんな経緯があったのか詳細は不明ながら、
セイコーが万難を排して製造にとり組んだ、
〝時代錯誤の〟もしくは〝季節外れの〟、
レアな《ヴィーナス》なのでしょう。
ブレスレットにはセイコー純正品や、
ラドーなど舶来ブランドのブレスレットも
OEM供給していたマルマン製を合わせました。
革ベルトも含め百通りくらいの組み合わせを
ためしてみて(けっして大袈裟ではなく)、
これが最善のマッチングである、との結論に。
まさに「厳選」……と自画自賛しておきます。
また、経験的に申し上げて、
時の経過という、ひとつの試金石を乗り越えた
本品の陶製文字盤は、もはやそう容易く
ひび割れしたり、亀裂が生じたりといった
事態にはおちいらない気がします。
クラック(ひび)が入るなら、もうとっくの昔に
そうなっていたはずーーというのが、
わたくしどもの経験則に基づく所感です。
手づくりの品には生まれもった「資質」
みたいな要素が大きかったりするものです。
また、面積が小さいというのも、
ダメージを受けにくいメリットかもしれません。
こわごわ腫れ物に触るような心地では、
せっかくのヴィンテージ(しかも超レア!)を
愉しめません。
もしも、割れてしまったら、
そのときはエナメル塗料で修復するか、
《ファインセイコー》のフェイスを全力でお探しします!
ぜひお気兼ねなく、
またとない逸品をご堪能ください。
*本品は使用感は少ないものの中古品です。
その点をあらかじめご理解ください。
(ブレスレットは新品。)
1965年 日本製
17石 手巻ムーヴメント
文字盤:縦 約20mm
横 約9mm
本体:縦 約35mm(モティーフを含む)
横 約12mm(リューズを含む)
重さ:約24.5g(ブレスレットを含む)
腕まわり:約175mm
材質:ホワイトゴールドメッキ
ブレスレット:マルマン製(黄銅/ロジウムメッキ)
分解整備済み
日差:±30秒前後(平置)
外箱・取説等の付属品はありません
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
•———•———•———•———•
※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
本品も含め新品同様のまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、
慎重にご検討くださいませ。
とてもレアな琺瑯引きのフェイスをもつ、
セイコー《ヴィーナス》。
1965年の作品です。
産業革命以前の時代、
懐中時計に多用された陶製文字盤。
その純白の美しいフェイスを、
骨董店や蚤の市などで見かけたご経験は、
きっとどなたもお持ちでしょう。
ホーロー文字盤はなぜ廃れてしまったのかーー。
理由は主に2つです。
まず、製造におそろしく手間がかかること。
そして、そのわりには強度に欠け、
ちょっとした衝撃で割れたりひびが入ったりと、
長持ちしないことが、ふたつ目の理由です。
そのかわり、美しい。
すべての欠点を凌駕してしまう優美さゆえに、
人びとは時おり思い出したように、ふたたび
陶製文字盤の時計を生み落としてしまいます。
ーーこの《ヴィーナス》のように。
セイコー往年のカタログを紐解くと、
ケース(ボディ)も文字盤(フェイス)も、
本品と瓜二つの《ファインセイコー》が
掲載されています。
しかしそのフェイスは陶製文字盤ではなく、
同じデザインをまとう金属製です。
おそらく本品は、
そのラグジュアリーバージョンとして、
セイコーが限定的に(あるいは実験的に)、
少量生産した品ではないかと思われます。
弊店はこれをマーケットで発見した当初、
フェイスのあまりの「美白」ぶりに、
リダンと呼ばれるお色直し(描きかえ)を
ほどこされた品ではないかと疑いました。
ところが、事実はまさかの琺瑯引き……。
フェイスを描きかえるのであれば、
わざわざ途方もない時間と労力を費やして、
ひたすら塗ったり焼いたりを繰りかえす
琺瑯引きに仕立てるはずがありません。
また、お色直しの手法は〝転写〟が基本。
当然《FineSeiko》の印字を
そのままトレースするはずで、
あえて《Venus》銘に上書きする理由が
見つかりません。
そんなわけで本品は、
どんな経緯があったのか詳細は不明ながら、
セイコーが万難を排して製造にとり組んだ、
〝時代錯誤の〟もしくは〝季節外れの〟、
レアな《ヴィーナス》なのでしょう。
ブレスレットにはセイコー純正品や、
ラドーなど舶来ブランドのブレスレットも
OEM供給していたマルマン製を合わせました。
革ベルトも含め百通りくらいの組み合わせを
ためしてみて(けっして大袈裟ではなく)、
これが最善のマッチングである、との結論に。
まさに「厳選」……と自画自賛しておきます。
また、経験的に申し上げて、
時の経過という、ひとつの試金石を乗り越えた
本品の陶製文字盤は、もはやそう容易く
ひび割れしたり、亀裂が生じたりといった
事態にはおちいらない気がします。
クラック(ひび)が入るなら、もうとっくの昔に
そうなっていたはずーーというのが、
わたくしどもの経験則に基づく所感です。
手づくりの品には生まれもった「資質」
みたいな要素が大きかったりするものです。
また、面積が小さいというのも、
ダメージを受けにくいメリットかもしれません。
こわごわ腫れ物に触るような心地では、
せっかくのヴィンテージ(しかも超レア!)を
愉しめません。
もしも、割れてしまったら、
そのときはエナメル塗料で修復するか、
《ファインセイコー》のフェイスを全力でお探しします!
ぜひお気兼ねなく、
またとない逸品をご堪能ください。
*本品は使用感は少ないものの中古品です。
その点をあらかじめご理解ください。
(ブレスレットは新品。)
1965年 日本製
17石 手巻ムーヴメント
文字盤:縦 約20mm
横 約9mm
本体:縦 約35mm(モティーフを含む)
横 約12mm(リューズを含む)
重さ:約24.5g(ブレスレットを含む)
腕まわり:約175mm
材質:ホワイトゴールドメッキ
ブレスレット:マルマン製(黄銅/ロジウムメッキ)
分解整備済み
日差:±30秒前後(平置)
外箱・取説等の付属品はありません
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
•———•———•———•———•
※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
本品も含め新品同様のまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、
慎重にご検討くださいませ。
サイズ
本文に記載
発送までの目安
3日
配送方法・送料
宅配便
0円(追加送料:0円)
全国一律
全国一律
購入の際の注意点
【ヴィンテージをおすすめする理由】
懐中時計の時代から小型化や複雑化など、
めざましい発展を遂げてきた機械時計*。
クオーツ時計**の登場(1969年)により、
その様相は一変します。
(* **機械時計とクオーツ時計の違いについては後述)
それまで職人が時間と労力を費やすことで、
はじめて実現しえた「精度」。
それがテクノロジーの力で、
いとも簡単に実現してしまう時代が到来したためです。
手づくりの精密機械から、大量生産の電化製品へーー。
時計の定義や概念さえも覆る大転換期でした。
ここ数年は高級品を中心に
機械時計への回帰が見られますが、
メカの設計自体がだいぶ簡素化したため、
復活や復権とは言えない面があります。
かつて手作業が担っていたプロセスを、
プログラミングされた工作機が
細かな作業を代替する場面も多く、
その違いはほぼ「別もの」といえるほど。
強度と使い勝手はやや増したものの、
手工芸品としての価値は下がってしまいました。
中世の昔から積みあげた知恵と匠みの結晶、
機械時計(ぜんまい時計)。
またその「王位」を継承するために、
あらゆる技術を投入して開発された
初期の高級クオーツ時計。
わたくしどもがお勧めしたいのは、
そんなふたつのタイプの時計たちです。
【時計のきほん】
時計には大きく分けて、
・機械時計
・クオーツ時計
の2種類があります。
機械時計とは電源(電池)を用いない、
ぜんまい仕掛けの精密機械のことです。
クオーツ時計は水晶の電圧効果で駆動する、
電子機器といえます。
ほかにも音叉時計•電磁時計•電波時計などがあります。
【機械時計の使いかた】
機械時計は手動でぜんまいを巻く「手巻き時計」、
内部に備わるローター(振り子)がぜんまいを
巻き上げる「自動巻き時計」とに分かれます。
手巻きは指先でリューズを回して、
ぜんまいを巻きあげてください。
自動巻きは人の手首の動きを利用して
動力を蓄える仕組みですが、
それだけでは1日に必要なパワーを得られません。
はじめは手巻き時計のように手で巻いて
始動させる必要があります。
自動巻きとは「腕につけていれば止まらない」
程度を意味し、放置すれば自然と停止します。
故障ではありません。
手巻き•自動巻きいずれにも共通して、
「使わない日もぜんまいを巻くべきか?」
というご質問をよくいただきます。
「どちらでもよい」が弊店の回答です。
使わない日は必ずしも巻く必要はありません。
毎日巻くほうが機械の調子を維持しやすい、
との説も耳にしますが、たとえそうだとしても
部品の消耗を考えれば五十歩百歩です。
再起動させるたびに時刻やカレンダーを合わせるのは、
たしかに少々面倒ではありますが、
「OFFの日」も無意味ではないーー。
それが弊店の意見です。
【留意点】
機械時計は磁気に弱い特徴があります。
テレビ・ラジオ・携帯端末・PCなど、
強い放電をともなう機器のそばに放置すると、
内部が帯磁して精度が損なわれます。
磁気を帯びた時計は専門店のサービスを受ければ
容易に回復しますが、なるべく上記のような機器からは
離れた場所で保管することをお勧めします。
また現代の時計にくらべて防水機能は劣ります。
たとえ防水を謳う時計であっても、
経年劣化によりガラスや金属•ゴムパッキンなど
「水際」を守る部品に隙間が生じているかもしれません。
装着したままの遊泳や入浴は厳禁です。
極端な悪天候や本格的な洗顔のさいも念のため外すなど、
日常的に一定の配慮が必要です。
【お手入れ】
機械時計は正常に動いていても、2〜3年に1度は
専門店でオーバーホールを受けるのが理想です。
定期的に内外の汚れを落とし、
メカの潤滑油を保つことで、
故障を未然に防ぎ、
寿命を長持ちさせる効果があります。
クオーツ時計は2年程度のサイクルで
電池交換が必要になります。
オーバーホールについては機械時計ほど
神経質になる必要はありません。
故障がないかぎり、おおむね5~6年に一度、
分解清掃(OH)おこなえば充分です。
【古物(ヴィンテージ)•骨董(アンティーク)のあつかいについて】
どんなによい品であっても、
経年変化は避けられません。
どんなに美しい人も加齢を免れないのと同じです。
内外に「傷み」は生じるもの……。
弊店ではすべての商品に、
可能なかぎりのメインテナンスを施しておりますが、
現代の新品と同様のクオリティを期待されるお客さまに、
おそらく古物(ヴィンテージ)は向きません。
また現代とはちがい、
往時は製造者(売り手)がとり扱いや使用法について、
ユーザー側に一定の「理解」や「工夫」、
あるいは「自己責任」を求めていた時代です。
上記の磁気や湿気への気配りをはじめとして、
使用者が丁寧にとり扱うことを前提に
製造された精密機器といえます。
とくに時計はかつて贅沢品であり、
代々引き継がれる「家宝」でもあったため、
大切に扱うのが普通でした。
またそのようにつくられています。
時計がスポーツや冒険のツールとして
気軽に用いられるようになったのは、
ずっと後年のお話です。
用途そのものが違う、
とお考えいただくとよいかもしれません。
【アフターセールス】
故意や誤った使用法、
事故や天災による故障を除き、
事前発生的な不具合については、
お買い上げ日より10か月間の修理保証が付帯します。
ただし近ごろ横行するすり替えや、
部品窃取といったトラブルを回避する意味からも、
ご購入後の返品•返金のご要望は承れません。
ご購入者さまには弊店の連絡先をお知らせしております。
修理のご依頼、質問やお困りごとにつきましては、
都度、連絡窓口よりお報せくださいませ。
迅速に対応いたします。