時は1980年代中期、
バブル経済の入口にさしかかるころ、
「第1次レトロブーム」と呼ばれる流行が
全国に広がります。
戦後の焼野原から働きつめて、
一気に高度経済成長を果たした日本。
ここらへんでひと休みして、
過去を振りかえって見ようーー
そんな機運が高まったのでしょうか。
当時も未だ昭和の只中にありましたが、
戦前戦中の生活様式や物品のデザインに、
あらためて注目が集まりだしました。
セイコーもそんなトレンドに着目。
なにしろ大日本帝国御用達メーカー。
レトロスタイルならお家芸も同然でした。
スモールセコンド(6時位置の小さな秒針)
の機械時計を復活させよう、と意気ごみます。
ところがーー。
そのころクオーツ時計の生みの親、
諏訪精工舎の技術者たちは、
頭を抱えていました。
ぜんまい式のメカ、
つまり機械時計が、
もう自前では作れなくなっていたのです。
機械時計を熟知する職人たちはすでに去り、
その製造に要する設備も工具も、
社内にはほとんど残っていませんでした。
皮肉なことに、クオーツ時計の発明は、
結果的にセイコー自身の技術力をも
弱体化する顛末を招いていたのです。
世界を一新する大発明と引きかえに、
セイコーは伝家の宝刀のはずだった
機械時計のノウハウを失っていたのでした。
諏訪精工舎は苦肉の策に出ます。
機械時計のメカを、
「スイスから買う」
という大どんでん返しをこころみます。
スイスの機械専業メーカーとして名高い、
フォンテメロン社からスモールセコンド仕様
の高級手巻きムーヴメントを購買。
諏訪で本体のデザイン•設計から製造、
メカの組入れ、全体の仕上げをおこない、
ようやく商品化にこぎつけたのでした。
その名も《セイコーMECH.(メカ)》。
みずからが壊滅的な打撃をあたえた、
スイス時計界に頭を下げてまで実現させた、
〝諏訪精工舎 最後の機械時計〟ーー。
歴史的邂逅が生んだ傑作となりました。
ほぼボーイズサイズにも近い
ボリューミーな存在感。
クラシックで端正なデザイン。
そして、なによりも諏訪精工舎の
伝統芸ともいえる見事な仕上げ。
ディテールに宿る丁寧な仕事ぶりが
見る者を惹きつけます。
生産数の極端に少ないこのシリーズ。
今では通称《スイスセイコー》と呼ばれ、
世界中のセイコー愛好家のあいだで
垂涎の的となっています。
ほぼ使用感のない美品です。
1985年 日本製
手巻きムーヴメント(スイス製)
文字盤直径:約22mm
本体:縦 約33mm (ラグを含む)
横 約28mm (リューズを含む)
重さ:約18.8g(革ベルト・尾錠を含む)
腕まわり:約130mm〜約170mm
*適合しない場合、穴あけを承ります(前後5mm程度まで)。また色や材質等、テイストは多少異なりますがロングサイズに代えることもできます。取り寄せには日数を要しますがお気軽にご用命ください。
材質:金メッキ
裏蓋:ステンレススティール
ベルト:牛革(新品/日本製/バーガンディ)
オリジナル尾錠付属
分解整備済み
日差:±30秒程度(平置)
外箱・取説等の付属品はありません
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
•———•———•———•———•
※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
本品も含め新品同様のまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、
慎重にご検討くださいませ。
時は1980年代中期、
バブル経済の入口にさしかかるころ、
「第1次レトロブーム」と呼ばれる流行が
全国に広がります。
戦後の焼野原から働きつめて、
一気に高度経済成長を果たした日本。
ここらへんでひと休みして、
過去を振りかえって見ようーー
そんな機運が高まったのでしょうか。
当時も未だ昭和の只中にありましたが、
戦前戦中の生活様式や物品のデザインに、
あらためて注目が集まりだしました。
セイコーもそんなトレンドに着目。
なにしろ大日本帝国御用達メーカー。
レトロスタイルならお家芸も同然でした。
スモールセコンド(6時位置の小さな秒針)
の機械時計を復活させよう、と意気ごみます。
ところがーー。
そのころクオーツ時計の生みの親、
諏訪精工舎の技術者たちは、
頭を抱えていました。
ぜんまい式のメカ、
つまり機械時計が、
もう自前では作れなくなっていたのです。
機械時計を熟知する職人たちはすでに去り、
その製造に要する設備も工具も、
社内にはほとんど残っていませんでした。
皮肉なことに、クオーツ時計の発明は、
結果的にセイコー自身の技術力をも
弱体化する顛末を招いていたのです。
世界を一新する大発明と引きかえに、
セイコーは伝家の宝刀のはずだった
機械時計のノウハウを失っていたのでした。
諏訪精工舎は苦肉の策に出ます。
機械時計のメカを、
「スイスから買う」
という大どんでん返しをこころみます。
スイスの機械専業メーカーとして名高い、
フォンテメロン社からスモールセコンド仕様
の高級手巻きムーヴメントを購買。
諏訪で本体のデザイン•設計から製造、
メカの組入れ、全体の仕上げをおこない、
ようやく商品化にこぎつけたのでした。
その名も《セイコーMECH.(メカ)》。
みずからが壊滅的な打撃をあたえた、
スイス時計界に頭を下げてまで実現させた、
〝諏訪精工舎 最後の機械時計〟ーー。
歴史的邂逅が生んだ傑作となりました。
ほぼボーイズサイズにも近い
ボリューミーな存在感。
クラシックで端正なデザイン。
そして、なによりも諏訪精工舎の
伝統芸ともいえる見事な仕上げ。
ディテールに宿る丁寧な仕事ぶりが
見る者を惹きつけます。
生産数の極端に少ないこのシリーズ。
今では通称《スイスセイコー》と呼ばれ、
世界中のセイコー愛好家のあいだで
垂涎の的となっています。
ほぼ使用感のない美品です。
1985年 日本製
手巻きムーヴメント(スイス製)
文字盤直径:約22mm
本体:縦 約33mm (ラグを含む)
横 約28mm (リューズを含む)
重さ:約18.8g(革ベルト・尾錠を含む)
腕まわり:約130mm〜約170mm
*適合しない場合、穴あけを承ります(前後5mm程度まで)。また色や材質等、テイストは多少異なりますがロングサイズに代えることもできます。取り寄せには日数を要しますがお気軽にご用命ください。
材質:金メッキ
裏蓋:ステンレススティール
ベルト:牛革(新品/日本製/バーガンディ)
オリジナル尾錠付属
分解整備済み
日差:±30秒程度(平置)
外箱・取説等の付属品はありません
•———•———•———•———•
弊店が販売前に実施しているメインテナンスについては、
下記リンク先をご参照ください。
https://minne.com/@solent/letters/83465
•———•———•———•———•
※数十年前に製造された骨董品(アンティーク)です。
本品も含め新品同様のまっさらで無傷な品ではありません。
性能も現代の製品には劣ります。
返品・返金は受けつけておりませんので、
「購入の際の注意点」を熟読のうえ、
慎重にご検討くださいませ。
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宅配便
0円(追加送料:0円)
全国一律
全国一律
購入の際の注意点
【ヴィンテージをおすすめする理由】
懐中時計の時代から小型化や複雑化など、
めざましい発展を遂げてきた機械時計*。
クオーツ時計**の登場(1969年)により、
その様相は一変します。
(* **機械時計とクオーツ時計の違いについては後述)
それまで職人が時間と労力を費やすことで、
はじめて実現しえた「精度」。
それがテクノロジーの力で、
いとも簡単に実現してしまう時代が到来したためです。
手づくりの精密機械から、大量生産の電化製品へーー。
時計の定義や概念さえも覆る大転換期でした。
ここ数年は高級品を中心に
機械時計への回帰が見られますが、
メカの設計自体がだいぶ簡素化したため、
復活や復権とは言えない面があります。
かつて手作業が担っていたプロセスを、
プログラミングされた工作機が
細かな作業を代替する場面も多く、
その違いはほぼ「別もの」といえるほど。
強度と使い勝手はやや増したものの、
手工芸品としての価値は下がってしまいました。
中世の昔から積みあげた知恵と匠みの結晶、
機械時計(ぜんまい時計)。
またその「王位」を継承するために、
あらゆる技術を投入して開発された
初期の高級クオーツ時計。
わたくしどもがお勧めしたいのは、
そんなふたつのタイプの時計たちです。
【時計のきほん】
時計には大きく分けて、
・機械時計
・クオーツ時計
の2種類があります。
機械時計とは電源(電池)を用いない、
ぜんまい仕掛けの精密機械のことです。
クオーツ時計は水晶の電圧効果で駆動する、
電子機器といえます。
ほかにも音叉時計•電磁時計•電波時計などがあります。
【機械時計の使いかた】
機械時計は手動でぜんまいを巻く「手巻き時計」、
内部に備わるローター(振り子)がぜんまいを
巻き上げる「自動巻き時計」とに分かれます。
手巻きは指先でリューズを回して、
ぜんまいを巻きあげてください。
自動巻きは人の手首の動きを利用して
動力を蓄える仕組みですが、
それだけでは1日に必要なパワーを得られません。
はじめは手巻き時計のように手で巻いて
始動させる必要があります。
自動巻きとは「腕につけていれば止まらない」
程度を意味し、放置すれば自然と停止します。
故障ではありません。
手巻き•自動巻きいずれにも共通して、
「使わない日もぜんまいを巻くべきか?」
というご質問をよくいただきます。
「どちらでもよい」が弊店の回答です。
使わない日は必ずしも巻く必要はありません。
毎日巻くほうが機械の調子を維持しやすい、
との説も耳にしますが、たとえそうだとしても
部品の消耗を考えれば五十歩百歩です。
再起動させるたびに時刻やカレンダーを合わせるのは、
たしかに少々面倒ではありますが、
「OFFの日」も無意味ではないーー。
それが弊店の意見です。
【留意点】
機械時計は磁気に弱い特徴があります。
テレビ・ラジオ・携帯端末・PCなど、
強い放電をともなう機器のそばに放置すると、
内部が帯磁して精度が損なわれます。
磁気を帯びた時計は専門店のサービスを受ければ
容易に回復しますが、なるべく上記のような機器からは
離れた場所で保管することをお勧めします。
また現代の時計にくらべて防水機能は劣ります。
たとえ防水を謳う時計であっても、
経年劣化によりガラスや金属•ゴムパッキンなど
「水際」を守る部品に隙間が生じているかもしれません。
装着したままの遊泳や入浴は厳禁です。
極端な悪天候や本格的な洗顔のさいも念のため外すなど、
日常的に一定の配慮が必要です。
【お手入れ】
機械時計は正常に動いていても、2〜3年に1度は
専門店でオーバーホールを受けるのが理想です。
定期的に内外の汚れを落とし、
メカの潤滑油を保つことで、
故障を未然に防ぎ、
寿命を長持ちさせる効果があります。
クオーツ時計は2年程度のサイクルで
電池交換が必要になります。
オーバーホールについては機械時計ほど
神経質になる必要はありません。
故障がないかぎり、おおむね5~6年に一度、
分解清掃(OH)おこなえば充分です。
【古物(ヴィンテージ)•骨董(アンティーク)のあつかいについて】
どんなによい品であっても、
経年変化は避けられません。
どんなに美しい人も加齢を免れないのと同じです。
内外に「傷み」は生じるもの……。
弊店ではすべての商品に、
可能なかぎりのメインテナンスを施しておりますが、
現代の新品と同様のクオリティを期待されるお客さまに、
おそらく古物(ヴィンテージ)は向きません。
また現代とはちがい、
往時は製造者(売り手)がとり扱いや使用法について、
ユーザー側に一定の「理解」や「工夫」、
あるいは「自己責任」を求めていた時代です。
上記の磁気や湿気への気配りをはじめとして、
使用者が丁寧にとり扱うことを前提に
製造された精密機器といえます。
とくに時計はかつて贅沢品であり、
代々引き継がれる「家宝」でもあったため、
大切に扱うのが普通でした。
またそのようにつくられています。
時計がスポーツや冒険のツールとして
気軽に用いられるようになったのは、
ずっと後年のお話です。
用途そのものが違う、
とお考えいただくとよいかもしれません。
【アフターセールス】
故意や誤った使用法、
事故や天災による故障を除き、
事前発生的な不具合については、
お買い上げ日より10か月間の修理保証が付帯します。
ただし近ごろ横行するすり替えや、
部品窃取といったトラブルを回避する意味からも、
ご購入後の返品•返金のご要望は承れません。
ご購入者さまには弊店の連絡先をお知らせしております。
修理のご依頼、質問やお困りごとにつきましては、
都度、連絡窓口よりお報せくださいませ。
迅速に対応いたします。