a-akane F4号(333×242mm) アクリル画 コラージュ作品 原画
ケント紙をキラキラした天然石の様に生まれ変わらせました。
20mm程度の厚みと少し重みがあります。
原画ですので、描写時の傷み、汚れ等はそのままです。
「レイニー・レイニー・レイニー」
1(過去)
貫くような夜泣き
ぶよぶよの赤子は旅が出来ない
旅をするには大人になることが必要だ
彼もまたそうだった
未熟な翼は役立たずで
彼が初めて鏡を見た時
たまたま蝶々が映り込んだ
醜い生き物
美しい生き物
彼は一歳半になって
鏡を理解した
その時の彼の寂しさ
人は天使にはなれても蝶々にはなれない
彼は翼を捨て
二人の悪友とつるむ事にした
一人の名は無力
もう一人の名は無気力
蝶々もまた
雨粒には敵わず
耐えるしかないのだと
知る日まで
3(未来)
生きることの押し売りは好きじゃねえ
彼は胃ろうを拒んだ
高カロリー点滴も
みんな彼を強い人だと思った
あるいは無力で無気力な人だと
だからそれ以上を伺い知ろうともしなかった
彼の
鮮血の恐怖への果敢な戦いも
真夏の海に行けたらという強い切望も
弱くなれないという強さがあるということも
そんなヒトの子へのバツだろうか
誰も立ち会うことは赦されなかった
遂にその時
彼が最上に笑むのにも
彼が蝶々へと羽化し旅立つ瞬間にも
赦されたのはただ
堂々と窓辺に咲き誇ったタンポポと
そこにちょこんと座る
雨粒ほどに小さい天使だけだった
2(今)
僕はだだ
彼は口ごもるしか出来ない
誰かを屈服させようという気持ちは報われない
彼は等に解っている
彼をいたぶる"he"を憎んでも
同じだと
けれど何か小さな奇跡が欲しい
彼は毎晩祈る
そしてその奇跡は現実となる
彼の恋する女性(ひと)が
ハロウィンに蝶々のコスチュームを纏っていたのだ
天使ではなく
ただ、それは、その女性(ひと)が恋人の
"he"から贈られた物だった
彼は遠くに旅したいと思う
しかし
悪友達が引き留める
彼は瞳から雨粒をこぼすしかない
だが
彼には
無力と無気力を突っぱね
英雄となり
ありふれた花と小さな天使からの祝福のもと
焦がれた蝶々へと羽化する瞬間が
待っている
a-akane F4号(333×242mm) アクリル画 コラージュ作品 原画
ケント紙をキラキラした天然石の様に生まれ変わらせました。
20mm程度の厚みと少し重みがあります。
原画ですので、描写時の傷み、汚れ等はそのままです。
「レイニー・レイニー・レイニー」
1(過去)
貫くような夜泣き
ぶよぶよの赤子は旅が出来ない
旅をするには大人になることが必要だ
彼もまたそうだった
未熟な翼は役立たずで
彼が初めて鏡を見た時
たまたま蝶々が映り込んだ
醜い生き物
美しい生き物
彼は一歳半になって
鏡を理解した
その時の彼の寂しさ
人は天使にはなれても蝶々にはなれない
彼は翼を捨て
二人の悪友とつるむ事にした
一人の名は無力
もう一人の名は無気力
蝶々もまた
雨粒には敵わず
耐えるしかないのだと
知る日まで
3(未来)
生きることの押し売りは好きじゃねえ
彼は胃ろうを拒んだ
高カロリー点滴も
みんな彼を強い人だと思った
あるいは無力で無気力な人だと
だからそれ以上を伺い知ろうともしなかった
彼の
鮮血の恐怖への果敢な戦いも
真夏の海に行けたらという強い切望も
弱くなれないという強さがあるということも
そんなヒトの子へのバツだろうか
誰も立ち会うことは赦されなかった
遂にその時
彼が最上に笑むのにも
彼が蝶々へと羽化し旅立つ瞬間にも
赦されたのはただ
堂々と窓辺に咲き誇ったタンポポと
そこにちょこんと座る
雨粒ほどに小さい天使だけだった
2(今)
僕はだだ
彼は口ごもるしか出来ない
誰かを屈服させようという気持ちは報われない
彼は等に解っている
彼をいたぶる"he"を憎んでも
同じだと
けれど何か小さな奇跡が欲しい
彼は毎晩祈る
そしてその奇跡は現実となる
彼の恋する女性(ひと)が
ハロウィンに蝶々のコスチュームを纏っていたのだ
天使ではなく
ただ、それは、その女性(ひと)が恋人の
"he"から贈られた物だった
彼は遠くに旅したいと思う
しかし
悪友達が引き留める
彼は瞳から雨粒をこぼすしかない
だが
彼には
無力と無気力を突っぱね
英雄となり
ありふれた花と小さな天使からの祝福のもと
焦がれた蝶々へと羽化する瞬間が
待っている