『幽霊船の乗組員からの招待状』イヤリング

『幽霊船の乗組員からの招待状』 ――ル・ルヴナン号にまつわる、儚くも静かな物語 ある夜、ふと窓辺に古びた封筒が置かれていることに気がついた。 誰が置いたのかはわからないが、封筒は濡れていないのにどこかしっとりとしていて、かすかに潮の香りがする。 宛名はなし。ただ、封蝋に刻まれていたのは、羅針盤と鳥を組み合わせたような、不思議な紋章。 それは、かつて海の底へと沈んだ幻の船――「ル・ルヴナン号」のものであると、 その時はまだ知る由もなかった。 封を切ると、中には見知らぬ言語で書かれた手紙が一通。 けれど不思議なことに、その言葉の意味は自然と心に届いた。 誰が書いたのか、なぜ私に宛てたのかはわからない。けれど確かに、そこにはこう記されていた。 「どうか、私の話を聞いてもらえませんか」 ──招待状の主は、かつてル・ルヴナン号に乗っていた航海士。 真面目で、誠実で、理想に生きた男。 冷静で物静かだが、どこか少年のような夢想家でもあり、どんな困難を前にしても、 「最善を尽くせば、きっと乗り越えられる」と無邪気に信じていた。 彼が胸に抱いた夢はいつか叶うはずだった――そう、あの嵐に呑まれていなければ。 ル・ルヴナン号は数百年前、突如嵐に巻き込まれ、海底へと姿を消した。 その乗組員たちのことを覚えている者は、今や誰もいない。 たった一人、海の底で彷徨い続けた"彼"を除いては。 彼は海底に幽霊となって残ったというよりも、「記憶の残滓」として、誰にも気づかれぬまま、一人静かに沈んでいた。 そして長い時間が過ぎた。 どれだけの年月が経ったのか、彼にはもうわからない。 人間らしい時間の感覚は、とうに失われていたから。 ただ、彼の傍らにあった船が、少しずつ朽ち、海藻に覆われ、小魚たちの棲家となっていくさまだけが、時の流れを教えてくれた。 記憶は摩耗し、かつての夢も、仲間の声も、顔も、次第にぼやけていく。 やがては、「かつて自分は何者で、何を信じ、何を愛して生きていたのか」さえ薄れていくのだろう。 それでも、最後に一つだけ残った願いがあった。 ――「誰かに、私のことを覚えていてほしい」 それは、過去の栄光でも、英雄譚でもない。 たった一人の航海士が、語られることのなかった日々のささいな記憶と、名もない仲間たちの話を、誰かに伝えておきたかったという、ささやかで切実な祈り。 あなたが受け取ったのは、彼の最後の想い。 その願いが、あなたの中のなにかに共鳴したからこそ、宛名のない招待状は、あなたのもとへ辿り着いたのかもしれません。 お茶会の会場は、海底の船内ではありません。 あなたが訪れたのは、夢の中。彼の記憶に残る、静かな夜の船室。 薄暗いランプの明かりの下、潮の香りの残る木の机。 彼はそこにじっと座り、あなたのためのお茶を用意しています。 言葉は少なく、けれど、その眼差しには長い年月の重みと、落ち着いた光がにじんでいました。 そしてあなたは、静かにその話に耳を傾けながら、ゆっくりとお茶を飲むのです。 それが、彼の願いに応える、ただ一つの方法だから。 本作では、深海に沈む記憶とそこに宿る感情の断片を、青緑と深緑のチェコドロップ、そして金の繊細な煌めきで表現しました。 青緑は彼の中に沈んでいた無数の記憶と静寂。 金の煌めきは、その記憶の中にふと差し込む、感情の名残や過去のきらめき。 深緑は、少しずつ様変わりしていく船のように、彼の存在が徐々に消えていく儚さ。 そしてなお、失われる前に残された、「誰かに覚えていてほしい」という小さな願い。 本作は3点限定でのご用意です。 どれも同じ素材を用いていますが、それぞれ微細に異なる表情を持ちます。 まるで、海の底で揺れる記憶のように。 【素材】 金具：ネジバネ式イヤリング 素材：チェーン、三角カン、チェコガラスビーズ(ドロップ型)、メタルパーツ(ティーポット、ティーカップ) 全長：約5.5cm〜6cm前後（左右でやや長さが異なります） ※金属アレルギー非対応（パーツ変更不可） 【検索用ワード】 ファンタジー　ティーポット　ティーカップ　ティータイム　お茶会　アフタヌーンティー　紅茶　お茶　メルヘン　童話風　おとぎ話　物語　チェコビーズ　ドロップビーズ　チェコドロップ　しずく　アシンメトリー　ごほうびアクセサリー　クラシカル　揺れる　ゆらゆら　きらきら　お出かけ　記念日　イベント　プレゼント　大人かわいい　グラデーション　自分へのご褒美　左右非対称　個性派　夏　冬　グリーン　緑　ブルー　青　シルバー　銀色　エッチング　幽霊船　難破船　沈没船　幽霊　亡霊　航海士　航海　海　船　願い あなたの耳に、失われた声の余韻が、そっと届きますように。