鹿の子絞りに刺繍の茶屋。幸せオーラあふれる朱華色のブラウス

淡い紅花染め、平安の御代から朱華（はねず）色と呼ばれています。 古くは禁色でしたが、いまや誰もが大好きな和のお色。 でも、誂えられることなく、いつの日か、どなたかにまとっていただくことを呉服店の棚で待ち望んでいた 朱華色の着尺。 やっとブラウスになって、麗しいデビューを果たしました。 紗綾型地紋を丁寧に織り出し、鹿の子で絞り、美しいお色で染めて、端麗な刺繍を施す。 気の遠くなるほどの工程を経て、優雅な着尺が完成するのです。 松皮菱の中に花鳥を描いた意匠は、桃山時代から慶賀の文様として重宝されてきました。 ほんの４０年くらい前。 お嫁さんをお姑さんが近所に紹介して回るとき、この晴れ晴れとしたお色と幸せを象徴するお柄は 嫁いだ家の繁栄を約束してくれる「よろこび」の訪問着であったのです。 １９９０年代、勢いに満ち満ちていた頃の職人さんにはとても想像できなかった着物業界の凋落。 いまや、お集まりに、気取らないパーティに、いえ、お友達の結婚式にだってお召しになれる華麗なブラウスに変身したのですから、 この着尺はほんとうに幸せ。 キュートで、上品。 優雅でシンプル。 雅やかで上品なブラウスをお召しになって、新たな幸せを手繰り寄せていただきたいと存じます。 お洗濯はお水で。おしゃれ着専用洗剤をお勧めします。ドラム式洗濯機でしたら、洗濯用ネットに入れて緩やかな水流で洗っていただければ、手洗いにこだわる必要はありません。洗濯後は速やかに陰干し。アイロンも高温で構いません。衣桁という着物専用のハンガーをお使いになると、干すときや収納に便利です。和装販売店でお求めいただければ幸いです。