早緑色の鹿の子絞り。おおらかな牡丹が咲き誇る振袖生地の和着

浮世絵の中の江戸の女たちは、長～い袂（たもと）を縦に横に振りながら、殿方を翻弄して、振った振られた、と恋模様を存分に楽しんでいるように見えます。 振袖が未婚女性の第一礼装として定着したのは、明治時代以降。 現在もなお、お振袖は、若い女性が憧れ、熱狂的に支持してやまないワールドワイドな魅力を発信し続ける、稀有なる民族衣装だと思います。 たっぷり振袖を着こなした後は、めでたく結婚。 妻となったからには、地味なお色の、そして、袂を短くした留袖をお召しになり、きりりと装いを改めます。 もう長いお袖をあちらこちらに振ってはならないのです、決して。 ゆえに、お留袖というのですから・・・。 さて。 菊紗綾型の紋意匠を織り出した綸子生地を、早緑色（さみどりいろ）の鹿の子で絞りあげたダイナミックなお柄のお振袖。 鮮やかな牡丹の赤、黄。 藤色の濃淡の花と葉が、目を惹く斬新さとともにすっきりと描かれています。 大胆なお振袖生地を部屋着にしてしまう贅沢を楽しんでいただける素敵な和着です。 お洗濯はお水で。ドラム式の洗濯機でしたら、洗濯用ネットに入れてゆるい水流で洗っていただければ、手洗いにこだわる必要はありません。多少の色落ちはあるかもしれませんが、色移りの心配はありません。アイロンも高温でおかけください。衣桁という着物専用のハンガーをお使いになると、干すときや収納に便利です。和装販売店などでお求めいただければ幸いです。