点在する苅安色に梅の古木がブリリアントなブラウス

市松とか、石畳と呼ばれる紋意匠が浮かび上がる綸子のお生地に、梅の古木がすっくと立ちあがっています。 少し灰色がかった生成りの地色に、苅安（かりやす）色がぼかし染めになっている心憎い支度。 そして、掛け軸の題材にでもなりそうな大胆な構図。 ほんとうに着物の柄行には驚かされることが多い・・・。 たった36㎝あまりの幅に、ありとあらゆる文様の世界が広がり、精緻も極まる。 ほんの３０年前のこと。 着物のマーケットは、これからもずっと、新しい需要に支えられながら拡大し続けるだろう、と疑わなかった着物産業に携わる人たち。 もちろん手描き友禅の絵師の方々も未来を信じて、古来の伝統を生かしつつ、新しい技巧を凝らす技術の会得に励んだのです。 けれど夢は持続せず、今や３０年前の十分の一以下まで市場は落ち込んでしまい、着物に携わっていた方々も、廃業や閉店に追い込まれる事態となっています。 どうぞ、昭和の素晴らしい手仕事をいとおしみ、味わいながら素敵に着こなしていただきたく存じます。 お洗濯はお水で。おしゃれ着専用洗剤をお使いください。ドラム式の洗濯機でしたら、洗濯用ネットに入れてやさしい水流で洗ってください、洗濯後は速やかに陰干しにして、アイロンは高温でお願いします。衣桁（いこう）という着物専用のハンガーを呉服屋さんなどでお求めいただくと、干すときや収納の折りに型崩れなくお使いいただけますので便利です。長く楽しんでお召しいただきたいと思います。