「事」祝禱の器は人が見えるように掲げられたのであった。それがまつりである。

「事」 大切な文言が入った祭器は、王都から外地に行くときには、高く掲げられたのでありましょう。 白川氏に拠ると「𠙵（サイ）」関連のものは、神事に関係しているとして、祝詞を収める器と記述されます。 その器の中には、文書が入れられたということを忘れてはならないと思っています。 紙はまだない時代ですから、竹簡などでありましょう。文書が大切な盟約となったのです。 そのために、外地に赴くときには、このように掲げられた。 甲骨文では、「王事（おうじ）」として出てきます。王の政治的な事柄の遂行です。王が記した文言がこの器には入れられていたのであろうと思っています。