67.はるのよの《百人一首シリーズ》バレッタ

はるのよのゆめばかりなるたまくらにかひなくたたむなこそをしけれ （短い春の夜の夢ほどに頼りにならないあなたの手枕のためにつまらない評判がたっては残念ですから） 百人一首の周防内侍の和歌をモチーフにバレッタを作りました。 男性からの軽口のような口説き文句をおしゃれに言い返したこの和歌。「春の夜の夢みたいな」って、綺麗なものに例えることで相手を叩きのめすというよりは軽くいなす感じがかっこいいです。 並刺しだけをずっと刺していき、模様を重ねて作る模様です。作り方はうろこ模様に似ているのですが見た感じは全然違ってくるのが面白いです。 作りながら、迷路を作っているみたいだなと楽しい模様でした。 ペールトーンカラーをメインにしたやわらかな雰囲気。締め色も明るめの茶色を使うことでやさしい雰囲気を引き立てています。 +++++++++++++++++++ るまんとは、ハンドメイド以外に、歌人としても活動しています。 およそ31音にこころや風景、あらゆるものを表現する短歌というものに魅せられてもう20年以上続けています。 ゆびぬきも、短歌・和歌も現代人にとってそれほど身近とは言えないものです。でも、もっと身近に感じてほしい、気軽に身に着けて、口遊んでほしい、そんな気持ちで、百人一首の歌をモチーフにしたゆびぬきアクセサリーを作る《百人一首シリーズ》を始めました。 るまんとの作品がゆびぬきや和歌・短歌に触れるきっかけになれれば、とてもうれしいです。 +++++++++++++++++++ 加賀の工芸品、加賀ゆびぬきをアレンジしたものです。 加賀ゆびぬきはその名の通りお裁縫に使うゆびぬきとして作られてきたものです。 なので、普通は指輪くらいのサイズなのですが、るまんとではそれをアレンジゆびぬきとして大きくつくってアクセサリーに加工しています。 表面は布を貼ったように見えますが、ひと針ひと針、絹の手縫い糸でかがって模様を作ってる、刺繍の一種です。 模様面は絹糸のすべすべつやつやとした質感です。 絹なので高級感がありますが、ぜひ日常のカジュアルな場面に取り入れてください。おしゃれ度をワンランクアップさせてくれます。 模様面は絹糸でできているため、濡れ・汚れに弱くなっています。 濡れた時はこすらず水分を拭きとって乾かしてください。