飴色ムクロジの実と墨色の種

皮付きムクロジの実　10粒 種子　　　　　　　　10粒 　　　　　　　　計　20粒　　種: 直径15mm前後　(2020年度産) 不思議な色と形の実を見つけて立ち止まって拾ったところ、通りかかった年配の方が「ムクロジ」という初めて聞く名前を教えてくれました。昔は、表皮が泡立つので石鹸にしたり、羽付きの玉や数珠にしたということでした。 印象的なルックスの外皮を割ると、中には見事な球形の真っ黒でカチカチの種。そして硬い種皮の表面には一箇所、ナイフで切り込みを入れたような直線状の凹みがあります。色とりどりに染められた鳥の羽が刺してあった、まさに見覚えのある羽付きの羽根の玉でした。子どもの頃、金属でもプラスチックでもなく、石に近い質感のその玉が何からできているのか、どうやって作るんだろうかと、不思議に感じていたことを思い出しました。あの頃から何十年も経ち、その正体が自然が作った植物の種であったと、予期せずして知りました。精巧な球形と緻密な焼き物のような黒光りする種は人工の産物のようで、大人になった今も、手のひらの上で何度も転がし、飽きずに眺めてしまいます。 今では都市部では珍しく、素性を知る人も少なくなったムクロジの実。それでもその個性的な姿で、手に取る人間を惹きつけます。(それが種子拡散の戦略か？) 何にするというつもりもなく、ただ面白くて拾い集めたムクロジを、皆様にお分けいたします。可愛いくて、面白くて、側に置いておきたくなるはず。また十分水分を吸わせてから蒔くと、発芽するとのことです。ムクロジの魅力を、思い思いにお楽しみください。