《母貝の涙と青い惑星》母貝の行方《満月にも甘く似てる》【第２部】

養殖真珠の唄 私の中に誰かが種を植えました 私は子供を産まなくてはなりません 苦しくなったり、訳が分からなくなったりしながら 私の中で子供は段々大きくなります あるとき誰かが私をこじ開け 子供だけをはぎとっていきました それはとても価値がある事だと聞きましたが 私には関係のない事のようです 私は私が生まれた海に投げ入れられました 海に私は沈んでいきました 沈みながら青いヒトデが 一筋の涙を流しているのが見えました 意識が遠くなっていきます 目を閉じたらもう何も見えなくなりそうです 一度で良いから私も誰かに必要とされてみたかった （暗転） 身体が軽くなった様な気がします 痛覚もないけれど、痛みも無くなった気がします 上昇していくような風を感じて目を開けると 眼下には私がずっと暮らして来た海が広がっています これはいったいどういうことでしょう 《暗転》 青いヒトデ１（下手）：「私は、夜の海から浮上していった母貝を見た様に思います」 青いヒトデ２（上手）：「私も、浮上した母貝を見たように思います・・・」 （少し間／中央にピンスポ） 青いヒトデ３（中央）：（ゆっくりめの語り）「真珠を取り出された母貝は、やがて夜空に輝く月になりました。」 ヒトデ一斉に：「夜の海から空に登って行く母貝の幻想や夢。夢見るものではないはずなのに、何だか夢を見ている様な感覚。海は青く深くたゆたっている。」 （照明f.o.) (暗転） 海・・・ラピスラズリ　優しく厳しく深く何かを教えてくれる 満月・・・マザーオブパール　優しい光で包み込んでくれる 海の泡・・・水晶　全てをまとめて癒してくれる 青いヒトデ１、２、３・・・めのう　傷を優しく癒してくれる ※効果は心の持ち様です 《三部作ですが、どの作品でも一つの物語なので大丈夫です》