馬上杯(ばじょうはい)とは、杯の一種で、高台が高く そこを握って飲む物を言います。
古代中国が起源である馬上杯は、日本にも伝わり、茶の湯の世界では 茶碗の形に取り込み 楽しみました。
茶の湯が大成した戦国時代、まさに武将達が戦地で、馬に跨り 片手に馬上杯の茶碗に点てられた茶を飲んでいる姿を想像致します。
流儀では、馬上杯は特に季節を選びませんが、私は桜の季節から新緑の候にこの茶碗を出してしまいます。
「駒止の桜」も言う言葉もあるように、あまりにも美しい桜に見入り、しばし馬を止めた。と言う故事に因んだり、間も無く来る端午の節句を意識したりして、馬上杯を使います。