デジタルイラストで似顔絵を描いていた私が、手描き水彩を始めた理由をお話しします。
似顔絵を描くようになって初めて、"写真が写すものは被写体だけではない"ということを知りました。
私が似顔絵を描くとき、参考にする写真から最初に受け取る印象は、被写体から放たれるものではありません。
初めに感じるのは、レンズ越しに目尻を下げているご家族やご友人の、愛の眼差しです。
写真館で撮影された写真も、美しく整えられていて素敵。
けれど私は、家族や恋人、友人という、愛のあるレンズを通して撮られた写真が好きなのです。
そこには、その相手を大切に想う温度が写っているようで、胸が温かくなるからです。
そのことは、これまで多くのデジタル似顔絵を描いてきた私が、手描きの水彩を描きたくなった理由とも繋がっています。
ダイレクトメッセージやメールよりも、手書きの手紙に温もりを感じる感覚と、少し似ているのかもしれません。
写真から感じたことを、手紙のように、手描きの絵にしてお届けしたい。
AIを使えば、短時間で緻密なイラストが再現できる今だからこそ、より手描きの温かさを感じていただけるのではないか。
いくつものデジタルイラストをお届けするなかで、じわじわと私の中に生まれていった感情。
これまで描かせていただいた皆様との関わりを通して、自分が本当に届けたいものに気づくことができました。
シャッターを押したあなたが、その一瞬に閉じ込めた温もりを、私なりに彩色し、一筆一筆仕上げていく。
少し滲んだり、霞んだりした筆づかいも、そのままの温もりとしてお届けしたい。
見返すたびに、シャッターを押したあの日の温度が蘇るような絵になればいいなと思っています。
そんな想いを込めて、世界にたったひとつの、手紙のような絵を描いています。
デジタルから、一点物の原画スタイルに変化はしたものの、これまでも、これからも、ほっこりをお届けしたいという想いは変わりません。
より自分の表現したいことが伝わるように、これからも日々模索を続けます。