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器のお手入れについて
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当店の器を、日々の暮らしの中で心地よく、長くお楽しみいただくために
ご使用前の準備や日常のお手入れ方法についてご案内いたします。
器に使用している土にはさまざまな種類があり、
それぞれに異なる個性や性質があります。
ほんの少しの工夫や気配りで、より快適にお使いいただけますと幸いです。
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1.使い始める前に(目止めについて)
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【なぜ目止めが必要なのか】
陶器には、焼成後も土の中にごく小さなすき間(気孔)が残ることがあります。
そこから水分や油分が染み込むことで、色やにおいが残る場合があります。
そうした器では、「目止め」と呼ばれる下処理を行うことで、
染みやにおい移りを軽減できることがあります。
【目止めをおすすめする器】
・陶器製の器(土もの/黒土・赤土・備前土、またはピンク・黄色・水色などの色土を使用したもの)
陶器は素材の性質上、吸水性があり、
当店で使用している釉薬の特性により、ピンホールが発生しやすい傾向があるため、
ご使用前に目止めをしていただくことで、汚れやにおいの付着を軽減できる場合があります。
【目止めが不要な器】
・飾り用途や、乾いたものだけをのせてお使いになる場合
・吸水性を活かす製品(例:ひんやり素焼きボード)
・天草磁器土を使用した「ミルクシリーズ」などの磁器製品
※天草磁器土は、非常にきめ細かな質感を持ち、焼成によってしっかりと焼き締まる性質があります。このため、表面には水分や油分が入り込むようなすき間がほとんどなく、染み込みが起こりにくいという特徴があります。当店では、特別な処理を行わず、そのままお使いいただくことをおすすめしております。
【目止めの手順(陶器のみ)】
1)器が浸かる鍋に、米のとぎ汁(または水+小麦粉または片栗粉 大さじ1〜2)と器を入れます。
2)水の状態から火にかけ、弱火〜中火で15〜20分ほど加熱します。
※急激な加熱や冷却は破損の原因になるためご注意ください。
3)火を止めたあとは、鍋ごと自然に冷まし、5〜8時間ほど浸け置きします。
4)器を取り出し、軽く洗ってからしっかりと乾燥させてください。
※鍋底に器がくっついた場合は、弱火で再加熱しながら、菜箸などでそっと動かすと外れやすくなります。
やけどには十分ご注意ください。
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2.普段のお手入れ
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・ご使用前に器を軽く水にくぐらせてからお使いいただくと、汚れや染みがつきにくくなります。
・ご使用後はなるべく早めに洗い、しっかりと乾かしてください。
※濡れたまま放置すると、底面などから水分を吸い、カビやにおいの原因になる場合があります。
・収納される際も、十分に乾燥した状態での保管をおすすめいたします。
特に梅雨時や湿度の高い季節はご注意ください。
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3.汚れやにおいが気になるとき
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器に残るにおいや汚れは、油分や色素の吸着、雑菌の繁殖などが原因となることがあります。
以下の方法で改善される場合があります。
【重曹を使った煮沸洗浄】
1)器が浸かる鍋に水と重曹(大さじ2〜4)を入れます。
2)弱火〜中火で加熱し、沸騰後5分ほど煮沸します。
3)火を止めた後は自然に冷まし、5時間ほど浸け置きます。
4)中性洗剤で洗い、よく乾燥させてください。
【酸素系漂白剤を使用する方法(茶渋・強いにおいに)】
酸素系漂白剤をぬるま湯に溶かし、器を数時間浸け置きしてください。
※繊細な装飾や表面処理が施された器の場合は、薄めの濃度から様子を見ながらご使用ください。
※塩素系漂白剤は器の質感を損なう可能性があるため、使用はお控えください。
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4.陶器と磁器のちがいについて
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器に使われている素材には、大きく分けて「陶器」と「磁器」があります。
それぞれの特徴を知っておくことで、器との付き合い方もより心地よいものになります。
【陶器(とうき)】
・赤土・黒土・備前土などの素朴な土に加え、ピンク・黄色・水色などの色味を加えた粘土も使用されます
・どこかあたたかみのある、土ならではの表情が特徴です
・土の中にごく小さなすき間(気孔)が残ることがあり、
水や油を少しずつ吸い込む性質があります
・使い込むことで風合いが変わっていくのも魅力のひとつです
【磁器(じき)】
・きめ細かい陶石を原料とした、より緻密な素材
・表面はなめらかで、すっきりとした印象
・しっかり焼き締まるため、水分や油分が染み込みにくく、
吸水性の少ない器に仕上がります
・「ミルクシリーズ」などに使用している天草磁器土も、この磁器にあたります
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5.最後に
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器は、日々の使い方や環境により少しずつ表情を変えていきます。
そうした変化は劣化ではなく、素材の持つ自然な味わいと捉えていただけましたら幸いです。
お手入れ方法は必須ではなく、ひとつの目安としてご覧ください。
それぞれの暮らしに合ったペースで、器との時間をお楽しみいただけますように。