Kākoʻo開発秘話 その2:素材の話

Kākoʻo開発秘話 その2:素材の話

公開
Kākoʻoは、ストラップピンがついたメイン部と吸着シート部の、2つのパーツから構成されています。 この2つのパーツを貼り合わせることで製品が完成します。 前回カー用品店で見つけた吸着シートを早速買って帰り、何度か貼ってはがしてを繰り返しても塗装が剥げないことを確認しました。さて、これにどうやってピンを取り付けるか。既存のストラップピンを加工して吸着シートに貼り付ける、ネジか何かで締める、などなど、ウクレレに傷がつかず、吸着シートが破れず、見た目もスマートな方法をいろいろ考えた末に到達した結論が、3Dプリントでした。 実は、Kākoʻoの原価のほとんどを占めているのが、この3Dプリントで作ったメイン部です。 このパーツは、ウクレレ程度の重量がかかっても壊れない、それでいてウクレレのボディの湾曲に沿ってしなやかに曲がる素材でできています(詳しいことは秘密)。 この素材にいちばんお金がかかっているんです。 正直、ストラップが掛かればいいだけなら、もっと安い素材はたくさんあります。 上の画像はこれまでの試作品の数々です。 ですが、しならない素材だと、ボディに密着しない部分からはがれてきて、ウクレレが落ちてしまいます。 かといって、ボディに密着させる方を重視しすぎると、ピン部の強度が保てません。 上の写真の中にある黒い試作品はゴム素材ですが、ボディにぎりぎり密着するくらいの硬度で作っても、ストラップを掛けて数分でピン部がちぎれてしまいました@@; また、見た目も大事です。安さを追求すると白かグレーになって、いかにも部品といった感じで美しくありません。黒ならそれほど目立ちませんが、熱を吸収するので夏場など劣化が早く進む可能性があります。 一定の時間問題なくウクレレを保定できて、ボディにしっかり張り付いて、見た目もスタイリッシュな半透明の素材が、Kākoʻoの材料です。 出力用の機械と素材の価格の都合上、一度にたくさんは作れません。次のロットの生産をどうするか、同じ素材で安く作る方法はないか、発売後の今も考えています。 (続く)

レターの感想をリアクションで伝えよう!

ハワイ好き・ウクレレ好き

aion's annex @minne
作品を見る