絵の紹介、エピソード

絵の紹介、エピソード

公開
 自分で描いた絵で表に出なかったもの、試作だったもの、完成できなかったものなどを紹介していきます。  最初に紹介するものは自分が描いたと思われる絵です。ここで描いたと言い切れないのは今から160年前に描かれた絵だからです。通常に考えれば自分で描いたとはいいきれないのですが(生まれる前の話になりますから)、自分では言い切れる理由があるのでそれを述べながら紹介していきたいと思います(人生一度限りではないかもしれません)。  その絵と出くわしたのは、絵を描いた人物が幼い頃に何人かで絵を鑑賞し他の人が立去った後も迎えがくるまで見続けていたという、その人物に何か引っかかるものがあって、その人物についての本を手に入れ読んでいくうちに絵があったページに出くわしたというものです。  出くわした瞬間、唖然となりました(見たような感じがしたからです)。しばらくしてすぐに自分が描いたものだとわかりました。その決め手となる部分を述べていこうと思います。  その絵を上記に貼り付けました。  以下、決め手を含め主なる3つの点を挙げました。  一つ目は描いた絵の紙です。紙の上部真ん中あたりに引き裂きの痕跡があるはずです。これを知っているのは本人くらいだけです(絵のおかしな部分が気付かなかったことに腹が立ち紙を引き裂こうと力が入った部分に5ミリ位の引き裂き目があると思います。絵の写真画像では写っていません)。  二つ目は上記の紙引き裂きの原因となった絵の部分で、湖の遠く水平面が右下がりに僅かながら傾斜していることです(相当気配って描いたつもりが、仕上がりをかけた最終段階で全体を眺めたとき湖の水平面が傾斜していることに気付き、今までそれがわからなかった自分に腹が立ち紙引き裂きに繋がったのです。絵の写真画像でははっきりと確認はできませんが実物のものは右下がりに傾斜しているはずです)。  三つ目は最初に描いた白鳥の足が鳥の足とは思えない形だったので(これは白鳥の足ではない、と笑われたくない思いで)、あとあと描いたこともわからないように消したつもりだったのですが(消しゴムで消したと思う)、その痕跡がなぜか残っています(消した後の紙の消し痕跡は絵の写真画像ではわかりません。実物ではおそらく描いた部分の消し跡とわかる紙面の擦られたあるいは削られた跡があるものと思います。ですが描いた本人はある程度、形を覚えているので消した後に何かが付着したのか、紙の劣化によるものかわからないのですが、僅かに消す前の形が浮き出て表現されているのが認識できました。この点でこの部分については実物を見なくとも自分が描いたことに確実性をもてました)。  本人はいまだ実物の絵は拝見していませんので、以上3つの点から、実物と照らし合わせたときに一致していれば、本人が描いた絵であるといえそうです。 ですが、いまだ人生が一度限りということが通説なので、本人が描いた絵とはいいきれないところがあります。 この点については未来の判断に託すということになります。     描いた絵をじっくり観ますと、不自然なところが少なからずあります。白鳥の首は何回も書き直して、首のカーブがうまくいったところでやめました。このとき首が長めだと気付いていましが、何度も描き直しをしていたので、直す気にはなりませんでした。  手前の土手と白鳥および遠景がしっくりといっていなかったのですが、土手が盛り上がっていることにすれば、よいのではないかと勝手に決めつけて満足していました。そうだとしてもこの構成では白鳥がでか過ぎです。最終的には水平線が斜めに傾斜していたので紙を引き裂こうしたのですが、それも思い留まり失敗作として机の脇引き出しに放り込みました。そのとき今までの描いた絵の紙引き裂いた残骸がどっと出てきたのです。自分でもその多さに呆気にとられました。  失敗作として処分した絵ですが、本に掲載されるように残っていたとは驚きです。 このころは切り株とその周辺の景色をちょっこっとくらいしか描けなかったように思います。 白鳥自体を描くのもスケッチした覚えも全くないので、想像で姿を描くしかなく大変苦労しました。 よくぞこの絵を残してくれていたと思っています。   絵は画面に表現されている形作ったものだけでなく、その画面の陰にドラマが潜んでいるのです。すべての絵にはそういうものがあります。描いた人が言わない限りそれはわかりません。なので今回このめずらしい絵を紹介いたしました。    引用したのは「ルートヴッヒⅡ世」須永朝彦 著、(株) 新書館 発行に掲載されているルートヴッヒⅡ世15歳のときに描かれた「樹木と白鳥」の作品です。 以上

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油彩画 水彩画 の画人

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