みなさま、こんにちは。いつもご覧いただきありがとうございます。今回は、新しく完成した作品と、そこに込めた特別な想いをレターとしてお届けします。
私の作品には「lulu(ルル)」というキャラクターシリーズがあります。このシリーズは、「自分を今以上に愛すること」をモチーフに描いています。
実は、f3サイズのキャンバスに下描きだけを済ませた状態のまま、ずいぶん長い間眠らせていたキャンバスがありました。なぜかその先を描き進めることができず、ずっと止まったままだったのです。
「そろそろ、あの絵に手をつけようかな」
そう思っていた矢先のことでした。
令和八年熊本地震が発生しました。幸いにも、前回の震災に比べると自宅の被害は少なくて済みました。
しかし、いつも日常的に使っていた「イオンモール熊本」の変わり果てた姿を目にしたとき、言葉にできない深い喪失感が胸に広がりました。
テレビをつければ、毎日のように流れる「余震」や「割れ残り」という言葉。気がつけば、私の心の中は数え切れないほどの不安で埋め尽くされていました。
「あれもできない」「これもできない」「もう、ないんだ」失われたものばかりに、どうしても気持ちが引っ張られてしまう日々。
けれど、そんな時だからこそ、私はもう一度キャンバスに向き合うことを決めました。この大きな不安を拒絶するのではなく、自分の一部として受け入れること。そして、いつもの毎日をしっかりと過ごしていくために、そっと筆を取りました。
そうして、ついに完成した「lulu」。
できあがった絵をじっと見つめているとき、私の心にすとんと浮かんできた言葉があります。それが、
「満ちていく、満ちている。」
というタイトルです。
「ないもの」ばかりに目を向けていたけれど、本当は今ここにあるもの、自分の内側にある想いは、すでに優しく満ちているのかもしれない。この絵は、そんな大切な気づきを私に与えてくれました。
不安な日々はまだ続くかもしれませんが、このluluが、みなさまの心にも小さな温もりと「満ちていく」安心感を届けられますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。