店主の弥光で御座います。
梅雨も明けたようで強い日差しが舞っています。
夏…といえば海を連想する方も多いと思いますが
海はその美しさの反面、時には恐ろしく
穏やかな波が一転して攻撃的になるなど
不思議と未知に溢れた自然でもあります。
皆さんもご存知の物語「人魚姫」。
人間の王子に恋をし、声を魔女に捧げる代わりに
足を得た彼女でしたが、恋が叶わないと悟ると
海に身を投げ泡となって消えたと云われています。
…「泡となった」とはどういうことでしょうか。
改めて調べてみますと、それは
風の精・空気の精霊に生まれ変わり、
泡の中からどんどん空に浮かび上がり
大気となり風となった…ということらしいのです。
戸惑う彼女の元にやってきた風が語るには
「あなたは空の娘となり、暑さで苦しむところに
涼しい風を送ったり、花の匂いを振りまいて
これより先永遠に生きるのだ」と。
なんと人魚姫は消えたわけではなく
風となり生まれ変わって暮らしていたのでした。
海に残る物語は不思議ですね。
海を荒らす風も、元は海を愛していたはずの
人魚姫の魂だというのですから。
そういえば人魚姫に語りかけてきたあの風も
また、叶わぬ願いから魂を風に変えた
悲しき人魚のひとりなのかもしれませんね。
彼女たちが時に優しく強く、我々に触れるから
強い風に心揺さぶられ、甘い風に安らぐのです。
夏の日差しの中、涼しい風が吹いてきたら
あの人魚姫かもしれない…と
思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
其れでは、又。