++窻と光と時++

++窻と光と時++

公開
皆様、如何お過ごしでしょうか。 店主の弥光で御座います。 聖夜が訪れようとしています。 街は煌びやかに賛美の歌を歌い 人々の往来の足音が忙しなく重なります。 さて、このような時期であっても ひっそりと静かに時が流れる場所があります。 窓です。 窓の側で空を、雲を眺めて下さい。 何故かその切り取られた空間だけ 時の流れが緩やかに思えます。 しかし、窓から差す光は様々で 普段は全く気を取られないでいても 硝子を介して身に落ちる時にこそ見える色は 時と共に明るさも織る模様も移ろいます。 不思議な、まさしく不思議なことです 移ろいゆくものが止まって見えるとは。 この瞬間にこそ心は澄み切って 純粋な祈りや願いの言葉が生まれるのでしょう。 三つの教会の窓辺を巡り、 色を少しずつ切り取って 移ろう時の光を閉じ込めました。 ご用意できたのは三つだけです。 なぜなら…時は限りなく刻まれても その一瞬は、その一度きりですから。 其れでは、又。 美しい聖夜をお過ごしください。

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石と硝子を紐で編む店

弥光商店
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