皆様、如何お過ごしでしょうか。
店主の弥光で御座います。
聖夜が訪れようとしています。
街は煌びやかに賛美の歌を歌い
人々の往来の足音が忙しなく重なります。
さて、このような時期であっても
ひっそりと静かに時が流れる場所があります。
窓です。
窓の側で空を、雲を眺めて下さい。
何故かその切り取られた空間だけ
時の流れが緩やかに思えます。
しかし、窓から差す光は様々で
普段は全く気を取られないでいても
硝子を介して身に落ちる時にこそ見える色は
時と共に明るさも織る模様も移ろいます。
不思議な、まさしく不思議なことです
移ろいゆくものが止まって見えるとは。
この瞬間にこそ心は澄み切って
純粋な祈りや願いの言葉が生まれるのでしょう。
三つの教会の窓辺を巡り、
色を少しずつ切り取って
移ろう時の光を閉じ込めました。
ご用意できたのは三つだけです。
なぜなら…時は限りなく刻まれても
その一瞬は、その一度きりですから。
其れでは、又。
美しい聖夜をお過ごしください。