レジン作家
私は「~はしちゃだめ」「~しなさい」「一生懸命に努力なさい」「頑張りなさい」そんな言葉ばかりの空気が漂う場所で生まれ育った。
そんな空気をずっと吸って時を過ごしていくうちに、自分が心から感じてやりたいと思うことが自由にできなくなった。
そして私の胸の真ん中はいつも締め付けられるように苦しくなった。
大人になった私は自分がしてはいけないとわかっていることをやっては、『~だから~したんだ」と言い訳ばかりして生きていた。言い訳モンスターになっていた。本当はやりたくないことをしているから楽しくないし、胸の真ん中は苦しいままだった。
何十年もそうやって過ごしていたらある日病気になった。初めは身体だけの病気かと思ったら、心もボロボロに壊れていた。
「私は何のために生まれて何のために生きているんだろう」ってわからなくなって、毎日自分に「私って何だろう?」と問いかけ続けた。
そして生まれてから今まで過ごした時を振り返った。その時は他の誰かのものじゃない自分だけの時だと思っていた。
ある日、「あれ?それって本当に私の時だったんだろうか?」と疑問に感じた。
生まれ育った家では私らしく生きる事を、両親に笑顔で見守ってほしかった。
大人になって言い訳モンスターになってからも、私が今ここにいる事を誰かに認めてほしかった。
ふと「あれ?私は誰かに見守ってもらったり、認めてもらわないといけないの?」と思った。
違う。誰かにじゃなくて、私が私でいればいいだけだ。と気が付いた。
じゃあ、私は何がしたいんだろう?って問いかけた。
私は海の色、山の色、草木の色が大好きだ。それを見たり感じたりすると、いつも苦しい胸の真ん中が綻んだ。
そうだ、私の胸の真ん中がトックンって感じる事をすればいいんだ。
気づいたら言い訳をしなくなっていた。そしたら両親から何も貰えなかったと思っていた私の中に、私にしかできないたくさんの事を貰ったと気がついた。
『~だから~したんだ」じゃなくて、「こうしたい」「ああしてみる!」そんな前向きになれる言葉が私の中から溢れ出した。
今私はその瞬間「とき』を感じて生きている。
「~しなさい」「頑張りなさい」という言葉の中で、本当にやりたいことを見失っていた。
でも海や空、草木の色に触れたとき、胸の真ん中がトックンと動いた。
誰かの期待ではなく、私が私でいるために、その瞬間の風景をレジンに閉じ込めています。
記憶の中にある風景をここに。
そして、そっとあなたに。
[全 57作品]
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