保育園のお散歩の時間
もうお散歩はおしまいで ゴールの保育園はすぐそこ、 という時に
大粒の雨
先生やおともだちは、 わ~っ!
と園の軒下へ走って行ったけど 私にはその思いがけない雨が
何だかご褒美みたいな気持ちになって
みんな軒下から
こっちへおいでよ~
濡れるよ〜
と叫んでいるけれど、
どうしてこんなに楽しい気持ちを手放さなければいけないのか
雨に濡れることの何がいけないのか を、理解出来ずに
しばらく佇んでいた
猫じゃらしを持った手に落ちる
温かい雨粒や 熱いアスファルトや蒸された草から立ち上るえもいわれぬ匂い
目が回るくらいにがらりと変わる空と雲の色 ああ生きてるってこんなことか
と、うきうきとしていた
光や音や熱は
いわゆる波であり、 受けとる側の器官が
そう感じとっているだけの現象で
実体はない
それでもわたしたちは
それが確かにあったと この世につなぎとめる道具を もつことが出来た
心だ
現れてはまた、 たち消える 一瞬の光景に感情を 結びつけるものを与えてくれた
あの日の雨に感謝したい