私と母は、似ていない。
見た目も全然似ていないし、好きなものもまるで違う。
小さい頃から、私はお母さんに似ていない、という自覚があって、見た目が違うことは何の問題もなかったけれど、好きなものが違うことには少々苦労した。
私は自分の意見や好みをはっきり伝えられる子供ではなかったし、でも心の中では、こうしたいなとあれがいいなとか、そういう気持ちをちゃんと持っていた。
けれど、母の好みがまるで違うので、洋服だとかおもちゃだとかお菓子だとか、母が選んで買ってくれるものの多くは、私のほしいものではなかった。
むしろ、これだけは嫌、と思うものを、母は選んで買ってきたりした。
私はそのたびにがっかりした。
母も同様に、私が自分の趣味で選んだプレゼントなどはどうも母の好みではないようで、あまり喜んでくれなかった。
以心伝心で、「言わなかったのにどうしてこれがほしいとわかったの!」なんてことが、私と母の間ではなかなか成立しなかった。
しかし一つだけ、これだけは母とそっくり!という部分がある。
それは、ミシンが好きということ。
私が幼いころ、学校から帰ると、母はミシンを踏んでいた。
手作りでスカートやボレロを作ってくれた。
私は、母の作った洋服を着るのが幸せだった。
最近も母はバッグやワンピースやアクセサリーなど、様々なものを手作りしているらしい。
母は、仕事をしており、「仕事が忙しい、疲れた」と言う。
「それならミシンなんかしないで、休みの日にはしっかり休めば」と私が言うと、
「ミシンはストレス解消になるから」だそう。
『ミシンはストレス解消になる』
母のその言葉、よくわかる。私もそうだ。
ミシンを踏んでいると、無心になれる。
ミシンを踏んでいると、時間を忘れる。
何にも考えず、ただ針と糸が高速で動くのを見ている。
私のミシン好きは母からの遺伝なんだな。
母に似ている自分を発見した、今日この頃。