前回は、日暮里繊維街のトマトのことばかり書いてしまいました。
日暮里繊維街には、本当にたくさんのお店が並んでいて、それぞれ個性的なので、一軒一軒巡っていたら日が暮れてしまいます。
今回の訪問では、私は2時間しか日暮里にいられる時間がなく、超速足での回遊です。
それでも立ち寄りたいお店があります。
それは、安田商店です。
綿麻素材が大好きな私にとって、安田商店は聖地です。
他の店と同じ生地がだとしても、安田商店に置かれるとすべての生地がかわいく見えます。
他のお店のほうが安かったとしても、安田商店で買いたいと思ってしまいます。
安田商店3丁目店は、日暮里駅からかなり離れた場所にあります。
セール期間でも、安売りなんて全くする気がありません。
それでもお客さんがやってきます。
安田商店3丁目店は、昔はもっと雑多な生地があったように記憶していますが、今は、置く商品も厳選され、本当にいいものだけを扱っている、というような信念を感じます。
問屋街の中で、安いということを売りにせずに、コンセプトを持って店づくりをしているお店です。
ところで安田商店には、メイン通りにある3丁目店とは別に、裏路地に佇む5丁目店というのがあります。
こちら、安田商店5丁目店は、3丁目店とは全く違い、いつもお客さんがほとんどいません。
店内には、様々な柄の布が山積みされていて、生地で通路が埋まってしまっています。
ここは倉庫かな?と思い、入るのをためらいます。でも、入るとちゃんと「いらっしゃいませ」と言ってもらえます。
その「いらっしゃいませ」で、ああ、入っていいんだなと、少し安心します。
厳選されてコンセプトのはっきりしている安田商店3丁目店は素敵ですが、私はこの倉庫のような、寄せ集めのような、あるいは3丁目店のしわ寄せのような、この安田商店5丁目店がたまらなく好きです。
ここにミシンを持ち込んで籠り、一生、洋服作りをすることができたらと妄想すると最高の気分です。
ここでは、作っても作っても、かわいい生地があふれています。
発掘できないほどの生地に埋もれることができるお店です。