東日本大震災から15年を迎える宮城県仙台市では、
何日も前から
「なんだか落ち着かないね」
「節目だね」
「子どもたちももう何歳になったね」
そんなつぶやきを、いろいろな方からお聞きします。
私は震災当時、都内におりました。
震災後にUターンし、仙台で起業しました。
この15年間、多くの方に応援していただきながらも、
「地元で被災していないのに応援していただいて申し訳ない」
という気持ちが、どこか心の中に並行してありました。
震災当時、生後半年の娘を抱っこして、
交通機関が麻痺した都内で、自宅まで約30kmを
歩きと自転車で帰宅しました。
津波が来ているとは知らず、
品川の海沿いを歩いており、
夜、黒くぬめるようにうねる海のそばを
娘を抱いて歩いていたと思うと、今でもぞっとします。
そんな娘も、先日中学を卒業しました。
それでも、私の体験など、
地元で被災された方々のご苦労に比べれば
本当にささやかなものです。
ただひたすら、
全国のお客様から寄せられる応援のお言葉を
必ず地元に還元しようと、日々心新たに歩んできました。
この15年間、様々なお客様とお話しする中で、
「東北関連人口」という言葉をよく耳にします。
東北に何かしらのご縁があるけれど、
東北には住んでいない方々。
被災した・していないではなく、
この地を襲った災害に、
それぞれの立場、それぞれの気持ちで
向き合っている方がおられることを、私はよく分かっています。
リパッティとしては、新しい時代を
感謝の気持ちからスタートしたいと思っています。
今も、リパッティの拠点は仙台です。
私はこの15年間、
いただいた多くのご支援やお気持ちに対して、
全国を回りながら直接御礼をお伝えできる
貴重な幸運に恵まれています。
ジュエリーには「余白」があります。
身に着ける宝石をどう思うかも自由。
どう身に着けるかも自由。
そして見る側も、
「整えられた感情」として
ジュエリーを見ることができます。
ジュエリーには、
「愛」「友情」「思い出」「形見」「記念」「自尊心」
身に着けている人にしか分からない感情が、
整えられた形で輝いています。
リパッティは、通販であっても実店舗であっても、
「その作品が、その方にとってどんな意味を持つのか」
というコミュニケーションを大切にしています。
今朝は、冬のあいだ他の鳥と群れて飛んでいたコゲラ(とても小さなキツツキ)が、
一羽で虫をついばんでいました。
まだ肌寒いながらも、
季節が動き出している証のように感じます。
今年は、起業以来宝石を通じたものづくりを通じて考えてきたことを、書籍にまとめる機会に恵まれました。
地震もまた、不条理な宿命であるという点で、この星の聲(こえ)の一つです。
仙台から、全国へ、そして世界へ。
今日も工房一同、
あなたの一部となる作品を、
一つずつ大切に送り出していきます。
オーダーメイドジュエリー工房リパッティを、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。