私がものづくりを始めるきっかけになったのは、大叔母の存在でした。
和裁の先生をしていた明治生まれの大叔母の手仕事には全く無駄がなく、実に手早くて美しいものでした。
同居を始めた7歳の頃、お手玉を作ってもらいました。
長方形の布がどうしてお手玉のような立体になるのか、子供心に不思議で仕方ありませんでした。
一晩寝て起きた朝に、大好きなぬいぐるみの服ができあがっていたこともあり、裁縫のできる大叔母はまるで魔法使いのようでした。
完璧な仕事をする大叔母には、子供だから……では許されない厳しさもありました。
私が作ったものを褒めてくれると同時に、どうすればきれいな仕上がりになるかというコツを少しずつ教えてくれました。
私がものづくりを本格的に始めるようになった頃には亡くなっていたので、今思えばそのちょっとした手間と気遣いを目にしていたことは、私の財産となっています。
大叔母に褒めてもらえるような手仕事をする…… それが今でも私の目標です。