
畳の縁は今、
“身近なもの”から“馴染み深い存在”へ
変化しているように
感じます…。
作品を作るきっかけは…、
ちょうどコロナ禍になる少し前、
ある商店街の街おこしの企画として、
定期的に行われていた
ワークショップに
参加したことです。
その日作ったのは、
くるみボタンの型に畳縁を被せた
ヘアゴムでした。
畳縁は、
グルーガンと相性が良いということで、
まるで「工作の時間」のような、
とても楽しいひと時でした。
それと同時に、
何ともバラエティー豊かな
畳縁の様々な生地を見て、
「これは何か、自分自身としての“何か”を作れる
かもしれない…」
と感じたのです。
その日から毎日のように
寝ても覚めても頭の中は畳縁のことで
いっぱい。。。
生地を触りながら、
『何ができる…?』と
自問自答しながら生地を捻ってみたり、
頭の中でまだ見ぬ『完成形』を
想像したりしていました。
その頃、コロナ禍によって
子ども達は突然休校措置になり、
いつも遊んでいた友達と会えなくなったり
大きな声ではしゃぐこともできなくなって
いきました。
「さみしいな…。」
なんとなくそんな気持ちが心の中に
あったからなのか…、ふと、
「子どもたちに向けたものにしよう…」と…
そう思いました…。
畳縁は、とても軽くて張りのある素材です。
私が「何か作ってみたい。」と感じたのも
この特徴に心惹かれたからなのかもしれません。
それと共に、頭に浮かんだのは『鈴』です。
今、子どもたちに
「大丈夫だよ…」
と伝えたい。
そんな想いで、
音の出るものを
作りたいと思いました。
そうして初めての作品が完成…。
「叶結びと鈴」を使って、
子どもでも簡単に作れる
お守り風の作品を作り、
ワークショップに臨みました。
その日に持参した畳縁は、
比較的明るい印象が強く
女の子が多かったのですが、
その中に1人の男の子が
いました。
今でもはっきりと覚えています。。。
そろそろ閉店するので、
参加したshopから
「ちょっとしたものが貰えるクジ」
を手にした男の子が
お父さんと一緒に来てくれました。
私が用意していたものは、
私自身が初めて体験した日に作ったものと
同じ「ヘアゴム」でしたので、
少し申し訳ないような気持ちで
「どれがいい?」と聞きました。
すると、その男の子は首を横に振って
体験する工作ボードの方に視線を向けたのです。
ひょっとして…と思いつつ「作りたい?」と聞くと
「うん。」と、首を振って頷きました。
作っている間の真剣な表情を見て、
私は「次は、男の子に向けたものを作ろう!」
そう、思いました。
男の子×畳縁×軽さと張り=?
まもなく頭に浮かんだのは「カブト」です。
その時は漠然としていましたが、
畳縁の特徴を活かせば
「きっと作れる」
という気がしました。
「畳縁」という生地に出会い、
初めて作ったお守り風の作品とカブトは
今も大切な作品として、
次の出番を楽しみにしています。
今現在、畳縁が私達にとって
「馴染み深い存在」へと変化していると
感じるのは、長い間の
「なくてはならない存在」から
「あらためて気づく」
という存在に変わる時
なのかもしれません。
このような
「なんて事のないような気付き」が
小さな作品を通して
1人でも多くの人に届くきっかけに
なれたら嬉しいです。
今、Tatamiberryでは、
1000種類以上もある畳縁の中でも
「伝統的な模様」の生地に注目しています。
伝統的模様とは、昔から人々の生活と共に
過ごしてきたような、身近なものにさり気なく
使われてきた模様のことです。
代表的なものには、青海波模様、麻の葉模様、
唐草模様などがあり、それぞれの模様には
「意味」や「願い」が込められています。
人々の幸せを願う模様、子の成長を願う模様、
未来までずっと幸せが続きますようにと、縁起が良いと
される模様など、「願いを纏う」役割と
自分自身に対して「誓い」を示す役割があって、
その「模様」を小物として使うことで
「込められた意味」を、いつも身
畳縁という素材そのものが好きで
小物作りをしています。
畳縁は1000種類以上あります。
その素材も数種類ありますので、
生地としては、
薄いものから厚みのあるものまで、
そして、色や絵柄も様々あります。
共通の特徴として『軽さと張り』があり、
私の作品は、どれもその特徴を活かしたもの
となっています。
昔から私達にとって馴染み深い
『畳縁』を、海外の方も含め
沢山の方と共有できたら
とても幸いです。
[全 22作品]
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