●シャンプー前のブラッシング●
犬の皮膚は人の皮膚と比べて、1/2~1/10の厚さです。
とてもデリケートな皮膚なので、シャンプー前に
はしっかりブラッシングをして、もつれがないようにしておきます。
もつれがあるとさらにもつれが生じますので、
ブラッシングが困難になってしまいます。
シャンプー前にはできるだけ、被毛のもつれが
まったくないようにしておくことが、シャンプーが楽ちんになる秘訣です。
ブラシをペットの皮膚に垂直に当て、頭部から
お尻の方向と、上から下へと毛並みに沿って動かします。
ブラシが被毛のもつれに当たった場合は、再度ブラッシングをやり直して下さい。
その時、被毛のもつれを引っ張らないで下さい。
また、毛玉があった場合は、無理にほぐさずにカットして下さい。
●滑らない床に●
シャンプーする場所は滑らないように整えてください。
犬猫にとって足場が不安定な状態は、精神的に
平常心でいられなくなるので、バスマットなどを利用するのも良いです。
シャワーを当てる場合、いきなり強いシャワー
だと怖がるようであれば、お湯の勢いを弱めにして、ペットの様子を観察して下さい。
お湯の勢いを変えられないような場合は、ソックスをかぶせるのも一案です。
が、それでも怖がりパニックになるようなら、
かけ湯かあるいはハンドタオルを濡らしてふいた
り、手でお湯をすくって撫でたりして下さい。
それでもパニックが収まらないようなら、
シャンプーはその日は取りやめ、お風呂場で遊んであげて下さい。
次のシャンプーに慣れてもらうように、シャワー
を出した状態で音を聞かせておいて下さい。
無理にさせると一生シャンプーを嫌がるようになってしまいます。
犬の場合空いている手でお腹に触れ、4本の肢は
床につかせておくこと、猫は4本肢で立たせなく
とも構いません。安心感を与えるために、片手はペットに触れていて下さい。
このような場合、「待て」とか「じっとして」
とか言わずに、優しく声掛けをして下さい。
不安な状態の時は優しい言葉をかけて、愛情を表現して上げて下さい。
●お湯のかけ方●
・お湯の温度はペットの体温と同じくらいで
38度~39度のお湯で弱いシャワーを、背中から当てて下さい。
・シャワーは遠くからは当てず、直接皮膚に
当てるか、5cmくらいのところから当てるのがよいです。
・落ち着いてシャワーを受けられるのであれば、少しづつ体を移動して下さい。
・ペットがシャンプーやシャワーに慣れてきたら、シャワーの勢いを強めてみて下さい。
★シャンプーします
犬猫の皮膚は3週間のサイクルでいれかわります。
そのため、3週間に一回の割でするといいです。
シャンプーは泡立てて用意しておきます。
きめ細やかな泡はゴシゴシ洗わなくとも、泡を
もんでいるだけで脂と汚れが浮き出てきます。
一回のシャンプーで2~4度洗いすると良いです。
下洗い用にクレンジング系のシャンプーを使い、脂を落とします。
この脂はきっちりと落としておきます。
ドライヤーの乾きがよくなります。
一回目のシャンプーで脂が取れているかどうかの
確認は、被毛を手に取りこすった時キュッキュッ
という感じがあればOKで、ヌルっとした感じの時
は再度クレンジング系のシャンプーで洗います。
次に、通常のシャンプーで1~2回洗います。
その後はしっかりすすぎます。
シャンプー剤を残さないよう注意して下さい。
★顔の洗い方
犬猫の顔の構造上、頭部から流れてきたお湯は鼻に入りやすくなっています。
なので、頭を洗う時は慎重に。
犬猫は一滴でもお湯が入ると呼吸困難になってし
まい、頭を洗うのが大嫌いになってしまいます。
一般的にはハンドタオルを1/4にカットして、
お湯で湿らせ目や口の周りについた泡のシャンプ
ーを、ゆっくりと何回か拭くほうが良いでしょう。
シャンプーは目に入っても刺激のない物を使うと良いでしょう。
★リンスやコンディショナーで仕上げ
被毛を柔らかくし毛艶をよくし、被毛の保護育成
、皮膚や被毛にうるおい与えるので、すすぎ後にコンディショナーを使うと良いです。
犬猫はそれぞれ皮膚や被毛の状態が違うので、
メーカーが指定する濃度では場合によっては濃す
ぎるので、乾きにくく、すすぎに時間がかかる
ことがあるので、お湯で薄めに希釈して、ペットの適量を試しながら使うと良いです。
★タオルドライ
シャンプーリンスが終わっら、タオルでしっかり水けを取り除きます。
この時、「おとなしくしてくれてありがとう。」
といういうように、優しく声掛けすると、必ず通じていますから、次の作業が楽になります。
体をタオルで拭いた後、別の乾いたタオルで体を包みます。
次にキッチンペーパーを顔、耳、肢、尻尾にお尻
とタオルでは拭き取れなかった部分の水気を取ります。
10分ぐらい手肢をキッチンペーパーを使っている
間にタオルを取ると、ほとんど乾いています。
このやり方は、被毛の絡みをしっかりとってシャン
プーし、脂もしっかり取り切れている場合に限り、可能です。
★ドライヤー
ドライヤーはペットが嫌がらないところから始めると良いです。
ドライヤーの風が顔に当たらないようにします。
ドライヤーの風は、被毛の根元に来るよう当てます。
被毛が濡れた状態でブラシを入れると、被毛を引っ張ってしまうことになります。
ドライヤーは弱から始めます。
一人でドライヤーを当てる場合、濡れた被毛に
ドライヤーをかけて、一旦スイッチを切り、被毛にブラシをかける。
これを被毛が完全に乾くまでを繰り返すと、早く乾燥します。
ブラシはゆっくりと動かしたほうが、警戒心を持
たないので安心感が安定します。優しい声をかけながらしてあげて下さい。
●まとめ●
・シャンプー前に完全に、被毛の絡みを取り除く。
・1回のシャンプーで2~4回洗うのが良い。
・初めにクレンジング系のシャンプーで1回洗い、脂をしっかり取り除く。
・脂が取り切れているか確認は、被毛を取りこすってキュッキュッの音ならOK
・ヌルっとしていたら、クレンジング系のシャンプーで再度洗う。
・2回目は通常のシャンプーで1~2回洗う。
・しっかりすすぎ、シャンプー剤を残さない。
・顔洗は、鼻にお湯が入らないよう呼吸困難にならぬよう注意。
・ハンドタオルを1/4にカットしてお湯を湿らせ、目口廻りを拭く。
・リンスは被毛を柔らかく、毛艶を出し、被毛の保護育成、皮膚や被毛にうるおいを与える。
・リンスの濃度は、まずはお湯で希釈して使用し、希釈度合いを試しながら決めていく。
・タオルで水気を取りしっかり拭き取る。
・新しい乾いたタオルで体を包み、キッチンペーパーで顔耳肢尻尾を巻きしっかり水気を取る。
・ドライヤーはまずは被毛に風を当て乾燥させ
たら、一旦スイッチを切り、被毛にブラシを
入れしっかり被毛を立たせる。これを繰り返すと完全に乾燥する。
・ゆっくりブラッシングをするが、優しい声かけも忘れないよう心がける。