●世界一硬いはずのダイヤが簡単に割れる?
そんなバカな、なんて思いますよね?
ダイヤは硬いため、どうやって研磨するか、何を使えば研磨できるのか。
Vでたまにクイズに出るのを見かけたことがあります。
それはダイヤで磨くしかありません。
ダイヤの粉末を使って研磨します。
その性質から、いろいろな工具にも使われています。
ジュエリーの工具にも、「ダイヤモンドポイント」という物があります。
非常に高額です。
私の若かりし頃の失敗談をお話します。
貴金属を用いて、デザインと制作をする関係上、
ダイヤモンドやその他各天然石もいじります。
それぞれの性質は様々です。
かなり柔らかいもの、ダイヤのように硬いもの、
洗浄機に用心深くかけないとすぐ色が抜けてしまったり、振動で割れてしまったり。
特にエメラルドはどの職人さんもお断りするくらい、扱いに注意が必要です。
私も自分のオリジナルを作る時以外は、お断りいたします。
もちろんお客様の持ち込みのエメラルドは、お断りします。
天然石は変えが効きません。
色も形も同じものはなかなか見つけられませんので、弁償することが不可能です。
●ダイヤモンドが割れた!
そうなんです。
割れるんです。
ある工房へ一時的に修業に言っていた時、ダイヤ
モンドの石留めの作業があり、石留めをしていた
時、4本爪の1本の爪を留めていた時でした、
ダイヤが割れるということは、知っていたものの
あっという間の出来事にびっくりした記憶があります。
打ちどころが悪いと、いとも簡単に割れます。
タガネがもしかしたら、爪から滑ってダイヤを叩いたかもしれません。
怖いです。割ったら使い物になりませんから。ただのクズです。
ダイヤはこのように硬いというのも本当のことで
すが、この硬いという利点と、脆さも持ち合わせています。
気が抜けません。
一番硬いからという安心感は、この事で私の未熟さを自覚させられました。
●ダイヤモンドの構造
このブログで専門的なお話は退屈かと思いますの
で、あえてしませんが、簡単に言えばダイヤモンドは、部分々々で硬い所、柔らかい所とあります。
そこで、世界で一番硬いと言われるダイヤを研磨するのにも、ダイヤモンドが使われます。
ダイヤの硬さは結晶の中の方向によって違ってきます。
それを理解した上で、慎重に石留めなどをしないと、簡単に割れてしまいます。
めったに無いことと思いますが、そんな脆い一面
もあるダイヤモンドですから、うっかり落とすということにもご注意下さい。
●ジュエリー購入時の注意
以上のことから、石付きのジュエリーを購入する
場合、ダイヤモンドに限らず、共通して言える
ことは、中央の石留めとその廻りのメレダイヤ
(その他の小さい天然石)の彫り留め
など、留めの確認もなさると良いです。
特にファッション性にご興味が強い方など、石の
価値よりデザイン性を重視される方は、この石留
めにも関心を持って信用しきらないようご注意下さい。
・指で表面をなぞり、引っ掛かりが無いかどうか。
・または、ご自分の服の表面をなぞり、引っかからないか。
ジュエリーは購入後何年かしたら、爪が浮き易くなり変化も起こることがあります。
何十年も変わりなくしっかりした作りもあります
が、爪は浮いてくるものだということ認識しておいて下さい。
●まとめ
・ダイヤモンドは世界で一番硬い鉱物。
・硬いダイヤモンドを磨くのもダイヤモンド。
・ダイヤモンドの粉末は、色々な工具にも使われている。
・ダイヤモンドは構造上、硬い部分、柔らかい
部分とあり、方向性によっては、衝撃を受けた時、簡単に割れることがある。
明日は、ダイヤモンドやその他のジュエリーのアフターケアーについてご案内いたします。