僕の中で着心地の良さというものを考えてみました。
サイズが大きいものが溢れているなかで、動きやすさ、軽さは、オーバーサイズというもので体現されているものが多いのかなと感じた。
それだけではないものを作りたいなと。
春に、夏に、シャツを着ている人を想像してみた。風に揺れる白と髪の黒。
空は青くて日差しは暑い。汗でシャツが肌にピタッとするあの感じ。
そんなことを考えて生まれたのが今回のシャツです。
身幅は広く取りすぎてはいないけれど、少し肩が落ちる。
ボタンはフロントには5つだけ。横のスリットは深い。風によくなびくところはとても素敵だと。
パンツにインする人には、スリットが深いため前だけインなど、ぐしゃっとならずにスッと収まります。
そして生地。身頃にはタイプライターを。細いシワが、シャツの張りの中に柔らかさを。
Tシャツや、タンクトップを着て羽織った時に、直接肌に触れる部分を、ガーゼの生地で切り替えて、肌触りのことをとても考えました。試着してくれた方達が、みなさんおおっ、と笑顔になって実感してくれています。
展示会を行った際に、試着してくれてとても優しいですね、といってくれた言葉を覚えています。
考えて作ったものが、受け取ってくれる人に伝わっていることほど、暖かくなるものはないなあ。