匂いの記憶

匂いの記憶

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五感の中で、一番記憶に残るものは 嗅覚、匂いだと思っています。 というのも、3月のライオンという漫画で 三姉妹が日曜日をいつもよりゆっくり寝坊して 何をしようかまどろむシーンがあります。 そこを読んだ時、一瞬ふわっと 幼少期に母と過ごした 同じような日曜日の幸せな まったりした匂いを感じたんです。 他にも、雨上がりの匂いで、 田んぼの畦道を歩いた記憶を 春の土の匂いで、 新学期や新しい環境に否応なく置かれる 不安な記憶を すれ違った拍子に感じた柔軟剤の匂いで 元カレを思い出したり(笑) どれも、鮮明に言葉や情景を思い出したわけではありません。 全てもやもやと霞がかっていて、 その時の感情に近い色が覆っているような 曖昧なものです。 でも、あのハッとしたり、 記憶を無意識に遡るぞわぞわする感覚 それは、匂いの記憶だからこそできることだと思います。 sobaniの作品も、なんでもない日や 記憶に一生残る時間のそばに居られたら いつか、それを見た時に思い出すきっかけに なれるかもしれない。 また、その瞬間に居られた作品も きっと幸せだと思います😊 "sobani"には、そういう意味を込めています。

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シルクスクリーン作家

sobani
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