落花(らっか)とは、花が散って落ちる様子や、散って落ちた花の様子を指します。
盛りを過ぎて散る花の儚さや無常感。季節の移ろい。散る様子の優雅さ。落ちて地に彩を添える余韻などのニュアンスあり、作品イメージに合っていると感じています。
ずっと耳飾りとネックレスは制作から外していました。注意書きにもある通り、これらは肌に直接触れ、皮脂汚れがついても落とせないからです。季節や肌の状態によっては汚れにくいこともあるでしょうが、耳の周囲や首まわりは化粧品の使用が多い場所。夏は日焼け止め、冬は保湿、通年でエイジングケア…と何かしら塗りますよね。そんな「汚れてもケアできないもの」にいくら払えるか? 汚れてしまったものを見て「気に入っていたのにな」と思うのは忍びないと感じていました。
布製の軽いアクセサリーは、特に耳にはありがたいものです。プラスチック製などは軽いけれどチープさが目立ち、大人の女性には使いづらい。その点、絹ならクリアできます。花弁が一つひとつ大きめの私のつまみ細工なら、絹の艶も活かせるはず。そう思い、花弁ひとつだけのイヤリングは制作していました。そこへ「もっとたくさん、大きく、長く」というご提案をいただき、今回の制作につながりました。
試作を作り、汚したり洗濯したりと実験しましたが、使用1年後がどうなるかはわかりませんし、使用される方や布の種類によっても結果はさまざまでしょう。それでも「布製で、つまみ細工で、この形のアクセサリーを楽しみたい」という方は、案外多くいらっしゃるかもしれない。思いつく限りのデメリットはお伝えしたうえで、制作・販売してみようと決めました。