「できると思うから挑戦するのではなく、
やりたいと思うから挑戦する」
これは、イチローさんが発した、心に響く言葉です。
この言葉の裏には、私たちが普段意識している「思考」とは異な
る、深い意識の階層が隠されています。
一見似ているようにも聞こえるこの言葉の違いを、
「意識の構造の図」を参照しながら解説します。
意識の階層
私たちの意識は、
「すべき(顕在意識)」から「したい(潜在意識)」へ、
そして究極の「する(集合無意識)」へと深まっていきます。
この構造を理解すると、イチローさんがなぜ
「どんな結果でも後悔しない」と言い切れたのかが分かります。
彼が「顕在意識」や「潜在意識」の違いを踏まえて言ったかは定かではありませんが、
この言葉は意識の階層を見事に言い表しています。
■ 「すべき」という義務感:顕在意識や思考からくるもの。
前回の記事で解説した通り、私たちを縛るものです。
■ 「したい!」という直感:潜在意識や感情直感からくるもの。
これこそが「心の声」です。
イチローさんは、この「したい!(直感)」という心の声のもっと深い声、「魂の声」に従い、「する」という行動に至ったのです。
では、この「する」の原動力は何でしょう?
それは、「愛」と「信頼」です。
イチローさんはいつしか、自分のためだけでなく、
野球を愛する人や、喜んでくれる人のためにプレーするようになったそうです。
この境地こそが、集合無意識や精神・魂の領域、
すなわち「愛」のエネルギーです。
そうした境地に達した時に得られるのが、
「充実」
です。
引退会見の時の表情は、「充実」そのものでした。
イチロー選手は続けて、
「そうすれば、どんな結果でも後悔しない」
と言っています。
「する(愛・信頼)」のエネルギーは、
結果に執着する「すべき(義務感)」の対極にあります。
「愛」に基づいて行動した結果は、
たとえ予想と違っても、必ず魂の成長に繋がることを知っているからです。
あなたも、義務感や恐れからではなく、
内側から溢れる「愛と信頼」に基づいて行動することで、
「どんな結果でも後悔しない」
という充実した境地へとシフトしていきませんか?